『SUNNY 強い気持ち・強い愛』〜 それぞれ違って、それぞれ良い

(2018年 日本)
SUNNY 強い気持ち・強い愛



奈美が入院中の母を見舞いに行くと、ある病室に「芹香」という見覚えのある名前が、それは90年代に青春を共にした仲良しグループ「SUNNY」のメンバーの名前だった。
20年ぶりの再会を喜んだのも束の間、芹香は癌で余命1ヶ月の宣告を受けていることを告げる。
もう一度「SUNNY」のみんなに会いたいという芹香の願いを叶えるため、奈美はかつてのメンバー達を探すことに。


2011年に韓国で大ヒットした『サニー 永遠の仲間たち』のリメイク作品。
オリジナルは大好きな作品なので、観る前から私のハードルは上がってます!
結論から言うと、リメイク版もかなり良い作品に仕上がってました。大好き!


内容的にはSUNNYのメンバーが7人から6人に減っている点以外はほぼ完コピ。
韓国版では、フランス映画『ラ・ブーム』にオマージュを捧げた、後ろからヘッドフォンを付けるシーンがあり、『ラ・ブーム』のテーマ曲『愛のファンタジー』も印象的に使われていました。
今回の日本版では『愛のファンタジー』は使ってませんが、ヘッドフォンのシーンはちゃんとありました。粋だね大根監督。


今回の日本版では、サントラが90年代半ばのJポップで統一してるようなので、『愛のファンタジー』が使えなかったのは仕方ないでしょう。
そのかわり、使用されている曲は日本人だったら誰でも知っている歌ばかり。
韓国版では、学生運動などの80年代後半の韓国の社会情勢を表すシーンも盛り込まれていましたが、日本版では、主人公が阪神の震災で被災して引っ越してきたという設定になっている程度で、あとは当時の女子高生文化に焦点を絞ってます。
男である私にとっては、懐かしいどころか異次元ワールド。でも、さすがに使われている曲は全部知っているので、それぞれの曲が効果的に使われていて、当時の記憶が蘇るというわけではないが非常に懐かしい気持ちになります。
韓国版のサントラも『Sunny』はもちろん『Girls Just Want to Have Fun』『Time after time』と、往年のヒット曲満載で良かったし、アメリカでもリメイクが予定されてるそうなので、サントラの選曲も含めて非常に楽しみです。

あとキャスティングが良い。篠原涼子の20年前が広瀬すずってのはちょっと無理があるけど、他のメンバーは結構合ってました。
特に、渡辺直美と小池栄子が最高!

ただ、日本版ではSUNNYの命名理由に無理があったかな?
それ以外は、大好きな映画の完コピ映画であるにもかかわらず、わりと新鮮な気持ちで観れました。
それは、要所要所で展開される大根監督的演出によるところが大きい。『モテキ』を思わせるミュージカル・シーンも効果的。

やっぱりラストは号泣。
明るく楽しいシーンなのに、こんなに泣けるラストも珍しい。
これからは、オザケンを聴く度に泣けてくるんだろうなぁ。

SUNNY 強い気持ち・強い愛 DVD通常版

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サニー 永遠の仲間たち デラックス・エディション DVD

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