yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『焼肉ドラゴン』〜 それでも我々は生きていかなければならない

(2018年 日本)
焼肉ドラゴン



1969年の大阪、焼肉屋を営む龍吉と英順は再婚同士。
龍吉の連れ子である長女の静花、次女の梨花、英順の連れ子で三女の美花、そして二人の間に産まれた長男の時生の六人家族。
梨花の夫となる哲男は、かつてプロポーズを断られた静花に未練がある様子。
美花の彼氏でクラブの支配人である長谷川さんは妻帯者。
時生は私立中学に進学するが、学校ではいじめにあっている。
龍吉は、韓国人でありながら第二次世界大戦に駆り出され左手を失った。日本人から買い取った土地も、国有地だったことから立ち退きを迫られている。
それぞれの問題を抱えながら、それでも強く生きる在日韓国人達の物語。


自身も在日である、劇作家・脚本家の鄭義信の舞台演劇を、本人が監督。
とにかく演者の皆さんが本当に上手い。
三姉妹を演じる真木よう子、井上真央、桜庭みなみ、哲男役の大泉洋はもちろんのこと、龍吉・英順夫婦を演じる キム・サンホとイ・ジョンウンの韓国人の役者さん二人も掛け合いがすごい面白いし、関西弁もお上手。
キム・サンホとイ・ジョンウンの二人は、日本語が話せないので、台詞丸暗記で喋っていたらしいんだけど、信じられないぐらい自然です。
イ・ジョンウンさんて柔道選手だったの?女優さんじゃないの?この人めっちゃ面白いんだけど。
序盤は「新喜劇」みたいな展開なんで、コメディーかと思ったら結構ショックな展開が待ってました。


韓国人も日本人も関係ない、普遍的な家族の愛の物語。
しんみりしちゃう場面もありますが、笑えるシーンもイッパイありますよ。なんてったって、我らが洋ちゃんが出てますから。
静花の恋人・大樹と哲男が一気飲み対決をする長回しのシーンが最高。
見守っている静花役の真木よう子さんも、堪え切れずに笑っちゃってるように見えます。
大樹を演じている韓国の方、全然存じ上げないんですが、いい味出してます。


「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」龍吉さんの台詞。
「バラバラになったかて、ウチら家族は繋がっとる」英順さんの台詞。
沁みるなぁ・・・。


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