『グラン・ブルー』〜 イルカになりたかった男の話

(Le Grand Bleu 1988年 フランス・イタリア)
グラン・ブルー (字幕版)



暑い日が続いてますので、ちょっとでも涼しくなれる映画を。


幼馴染の二人のフリーダイバー、フランス人のジャック・マイヨールとイタリア人のエンゾ・モリナーリ。
しのぎを削り合うふたりと、ジャックと運命的に出会うアメリカ人女性ジョアンナの物語。


実在のフリーダイバー、ジャック・マイヨールとエンゾ・マイオルカをモデルにしており、実際に二人は記録合戦を繰り広げていたらしい。
ジャック・マイヨールは日本の海を愛し、晩年は千葉県館山市に住んでいた事でも有名。
最期はうつ病患ってしまい、2001年にイタリアの自宅で自ら命を絶ってしまいました。
人間とイルカの共存を訴え続け、日本のテレビ番組にも度々出ていらっしゃいました。本当に残念です。

映画にもイルカが登場します。ジャックは人付き合いは苦手ですが、イルカ相手には心を開きます。
ジャックとイルカが交流するシーンはとても幻想的で、バックに流れるエリック・セラの曲が幻想度を更にアップさせます。


主人公はジャックですが、ライバルのエンゾを演じたジャン・レノを世界的に有名にした作品としても知られています。
監督のリュック・ベッソンとは、次作の『ニキータ』にも出演、監督のハリウッド・デビュー作『レオン』でも主演を務め大ヒット。
ベッソンが製作・脚本を務めた『WASABI』では、日本を舞台に広末涼子とも共演しました。

そりゃ仕方ないよね、コミュ症ぎみのジャックよりもエンゾの方が魅力的だし、感情移入もしてしまうというものです。
もしかしたらジャックに母性本能をくすぐられる女性もいるかもですが、男は絶対エンゾに萌えちゃいます。
マンマに逆らえないところとか。(笑)


本作には、幾つかのバージョンが存在します。
まず、’88年に日本で公開された120分のインターナショナル・バージョン。わたしが、バイト先のサーファー兄さんに勧められて最初に観たのがこのバージョン。邦題は『グレート・ブルー』でした。
次に、’92年に公開された168分の『グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版』。これで日本中で大ブーム。渋谷の映画館は連日満員でした。
最期に、もともとフランスで公開されたバージョンで、’98年に10周年記念でリバイバル上映された際に日本でも公開された132分の『グレート・ブルー/オリジナル・バージョン』。監督自身はこのバージョンが一番だと思ってるらしい。

わたしは『完全版』がお気に入り。


グラン・ブルー 完全版 -デジタル・レストア・バージョン- Blu-ray

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