yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』〜 押井守監督の最高傑作と言っても過言ではないのだ

(1984年 日本)
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー



原作は『らんま1/2』『犬夜叉』『めぞん一刻』など、数々のヒット作を生み出しアニメ化もされている高橋留美子。
監督は、『うる星やつら』TVシリーズのチーフ・ディレクターだった押井守。
押井監督にとって、前作の劇場版『うる星やつら オンリー・ユー』に次いで長編監督2作目。


友引高校は文化祭直前、メガネ、パーマ、角刈り、チビ、面堂終太郎、おなじみの面々は準備に追われている。
諸星あたるは、作業をサボって竜之介(女の子)を言い寄っては、ラムに電撃を喰らうという相変わらずのドタバタ騒ぎ。
疲れきった担任の「温泉マーク」は、保険医のサクラから薬を貰い下宿に帰り休養をとることにする。
ところが、薬を渡し間違えた事に気付いたサクラが温泉マークの下宿に行くと、そこにはカビだらけの部屋で佇む温泉マークが。
すると温泉マークは、サクラに「文化祭前日」が毎日繰り返されている気がすると告げるのだった。


『うる星やつら』のキャラクター・世界観を踏襲しつつ、「押井守」色で染め上げられた作品。
と、わたしは思ってたでんすが、原作者の高橋留美子さんはお気に召さなかったとか。

自分は原作コミックよりもTVアニメの方を良く見ていたので、抵抗なく押井ワールドに入れただけのだろうか?
お約束ネタ満載で、「うる星ワールド」も全開だった気もするのですが。


そういったいざこざは抜きにして、作品単体の出来を評価すれば「最高」の一言である。
重戦車レオパルトのディテール、垂直離着陸機ハリアーの描写などには後の押井作品に通じるものを感じます。


先ほど「作品単体として」と書きましたが、「うる星やつら」の予備知識なしで本作を単体で観た場合に、果たして楽しめるのだろうか?
「ラムちゃん」のことを知らずに観たら、「この角の生えた空飛ぶ女子高生は何者?」とならないだろうか?

ということで、皆さんに観ていただきたい非常にオススメの1本ではあるのですが、最低限「ラムちゃんは何者か」「諸星あたるとの関係は」「面堂終太郎の閉所暗所恐怖症」ぐらい知らないと楽しめないと思いますのでご了承ください。


最後に、本作中のあたるの台詞で「俺はラムにもキッチリ惚れとる」というのがあって、わたしは大好きなのですが、原作、TVシリーズ、劇場版含め、あたるがラムに惚れていると発言したのはこれっきりなんだそうな。