(Regression 2015年 スペイン/カナダ R-15)
80年代〜90年代、アメリカ各地で問題になった悪魔崇拝者による儀式。そこから着想を得たサスペンス映画。
イーサン・ホーク、エマ・ワトソン共演。
あらすじ
父親に虐待されたと訴える少女アンジェラ・グレイ。だが加害者である父親のジョンは容疑は認めているが、虐待の記憶がなかった。
事件を担当するブルース・ケナー刑事は、心理学者ケネス・レインズ教授の協力を得てジョンに退行療法を施し記憶を蘇らせようとする。
感想
加害者であるはずのジョンの記憶を退行催眠でたどると、ブルースの同僚であるジョージ・ネスビットの名前が挙がり彼は拘束される。
次に家族を捨て遠くに住んでいるアンジェラの兄ロイを訪ね、彼が家を出た理由を探るため退行催眠をかけると、子どもの頃に自室にフードを被った人たちが入ってきたことを思い出し、祖母の関与が疑われる。
ジョージは事件の関与を否定し、嘘発見器も反応しない。
祖母も虐待を否定し、証拠も出てこない。
事件に関係したと思われる人間が一人また一人と増えるのに、捜査はまったく進展しない。
アメリカで「凡庸で話が複雑なだけ」と評されたのは、この辺りに要因があるのだろう。
確かに、どんどん話が複雑になっていくので、途中何度か巻き戻してしまいました。
劇場で観ていたらそんなことは出来ないので、混乱したまま観続けなければいけません。
でもそれは、観賞者が主人公であるブルース刑事と同じ体験をしていると言えるのではないでしょうか?
混乱し、疑心暗鬼になり、精神的に追い込まれていくブルースと同じ状態であると。
要は、ワザと解りにくく複雑にしているのではないかということ。
サスペンスにミス・リードは付き物。
もちろん、ミス・リードとわかってしまってはミス・リードにならない。
だが、ミス・リードを見極めて、真実を推理しようとしながら観てしまう
だったら深く考えずに、素直にミス・リードされたまま観てしまえば良いと思うわけです。
幸い(?)、皆さんがこれから観るとすればDVDか配信。気になったら巻き戻すことが可能です。
でも出来ればそんなことはせずに、映画は一気に続けて観たいもの。
そんな時、この記事が少しでも皆さんの理解の助けになれば幸いです。
ゆっくりと静かな語り口で、淡々と物語が進められていき、大きな盛り上がりや派手な演出がない分、リアルで重苦しい雰囲気に仕上がっている。
不思議な感じのする映画だと思ったら、トム・クルーズ主演で『バニラ・スカイ』としてハリウッドでリメイクされたスペイン映画『オープン・ユア・アイズ』の監督さん、アレハンドロ・アメナーバルの作品でした。あれも独特の雰囲気を持った映画でした。
こんな人にオススメ
『NY心理捜査官』、『エミリー・ローズ』のように、にわかには信じられないが、実際にあった事件を元に作られた映画が好きな方。
こちらもオススメ
オカルトな話ではないが、実際に起こった信じられない事件を元にした映画『コンプライアンス』
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