『クワイエット・プレイス』〜 極限状態での家族愛

(A Quiet Place 2018年 アメリカ)
クワイエット・プレイス (字幕版)


音を立てたら襲われる!静寂を守りながらサバイバル生活を送る家族を描くSFホラー。
エミリー・ブラントとジョン・クラシンスキーが夫婦役で夫婦共演、クラシンスキーは監督も担当。

あらすじ

音に反応して襲ってくる謎の生物が現れてから89日目、怪物から隠れてひっそりと暮らす一組の家族が、人気のなくなったスーパーで物資の調達をしていた。
その帰り道、三人兄弟の末っ子が、スーパーで手に入れたおもちゃのスイッチを入れ、大きな音を出してしまう。

感想

良く出来た脚本である。
音を立てられないという設定のため、セリフはほぼ無い。
娘のリーガンが耳が聞こえない為、家族は手話を使ってコミュニケーションを取ることが出来る。
このリーガンが聾者であることが、さらに重要な伏線となっている。

セリフが最小限なので、状況を説明するようなセリフは無い。
ナレーションも無ければ、字幕による解説も無い。
謎の生物は何者なのか?いつ現れたのか?どこから来たのか?
観てる側は、登場人物と同じ状況に放り込まれる。

映像による情報と、時折手話に付けられる字幕だけを頼りに状況を把握しなければなら無い。
もうほとんど、サイレント映画を観ている気分である。


家族の絆の物語についても、緻密に描かれている。
絶望的な世界の中で生き抜いていく為に、息子には、生きる術を学び強くなってほしい父親。
自分が良かれと思って取った行動が悲惨な事態を招いてしまい、思い悩む娘。
親の想いを理解できない子供達と、子供の心を理解できない親。
普遍的なテーマをSFホラーとういうジャンル映画の中に上手く盛り込むことに成功している。


ただ、こんな恐ろしい世界の中で、一番幼い子供に最後尾を歩かせたり、怪物たちが反応する音の大きさと種類がいまいち解りにくかったり、多少(?)引っかかる点があるんですが、その辺の事については「ミニマルさん」の記事が面白いので是非読んでみて下さい。
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www.minimal-akino.com



今回のエミリー・ブラントが、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『ボーダーライン』の時の様にかっこいい女性ではなく、ごく普通の母親を演じているのは、私生活でもパートナーで父親役を演じているジョン・クラシンスキーがメガホンを撮ってるからですかね。

そう思って観ていたせいか、終盤のお父さんの「俺は家族を守る、善き父親だぜ」アピールが凄かった気が。


ラストの、「It's show time!」的な終わり方は、ワクワクしちゃって大好きです。

こんな人にオススメ

ジョン・クラシンスキーが演出の参考にしたという『ドント・ブリーズ』が好きな方。
目の見え無い相手に、音を立てたら気付かれるって設定は、そのまんまですね。

未知の宇宙生物から逃げる家族、トム・クルーズの『宇宙戦争』が好きな人にもオススメです。

こちらもオススメ

『ドント・ブリーズ』と共に演出の参考にしたという『ゲット・アウト』
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www.kashi-yan.com

こいつにも見付かったら最後『MEG ザ・モンスター』
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www.kashi-yan.com