yakkunの趣夫生活

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『チェイス!』〜 インド映画のイメージを変える、アクション・エンターテインメント

(Dhoom 3 2013年 インド)
チェイス!日本劇場公開版(字幕版)


インド映画史上最高金額(当時)の巨額を投じて制作され、インド映画の全世界歴代最高興行収入(当時)を記録。
主演は『きっと、うまくいく』などのインドの大スター、アミール・カーン。
ハリウッドの全面協力のもと、シカゴでオールロケを敢行。


あらすじ

シカゴでインド大サーカスを率いるサーヒルは、幼い頃に父への融資を断り自殺へと追い込んだ銀行を恨み、金庫破りを繰り返すことで父の復讐を果たそうとしていた。
現場に残されたメッセージから犯人をインド系だと判断した警察は、インドの刑事ジャイと相棒のアリ、ふたりに協力を要請する。

感想

元々は、刑事コンビが主役の人気シリーズの3作目らしいが、過去作を知らなくても、全く問題なし。
主役も刑事コンビの方ではなく、犯人役のアミール・カーン。

犯人が主役なので、冒頭から不幸な生い立ちを見せられ、完全に犯人側に感情移入してしまう。

かと言って警察を悪く描くわけでもない。
今回の「悪」は、父を死に追いやった銀行なのである。


金庫破りの話なのに、なぜか金庫破りのシーンが一切ない。
ちょっと違和感であるが、インドのコンプライアンス的にダメなのかな?不思議です。

その代わりの見せ場が、邦題の『チェイス!』が示す通り、犯行後の警察との追いかけっこ。

バイクを巧みに操り、縦横無尽に逃げるサーヒル。

バイクを横に倒してトレーラーの下をくぐり抜けたり、一方通行を逆走してパトカーの追跡を逃れたりと、何処かで見たことあるようなシーンから、バイクでワイヤーの上を綱渡りしたり、はたまたバイクから水上バイクへ『トランスフォーマー』的な変形をする荒唐無稽なシーンまで、多彩なチェイス・シーンで映画の前半はグイグイ引っ張る。

そして後半は、驚きの真実が明らかになったり、恋愛要素が加わったり、立場を超えた友情があったりと盛り沢山の展開で、最後まで物語の推進力が衰えることはありません。


そして、「インド映画と言えば」のミュージカル・シーン。本作では大分控えめ。
主人公の設定がサーカス団員ってことで、サーカスのステージ上で歌い踊るだけです。
泥棒と警察の物語の世界観を壊すような、唐突なミュージカル・シーンの挿入はありません。

ネットで色々調べていたら、最近のインド映画ではミュージカル・シーンも随分減っているようで、わたしが不勉強なだけのようでした。

でも、オープニング・クレジットのタップ・ダンスのシーンは圧巻の迫力で、最高にカッコ良いです。
こんなダンス・シーンだったら、もっと見たいです。


こんな人にオススメ

インド映画だから〜とか、日本映画だから〜とか、制作された国で映画を型にはめていませんか?
以前のわたしが、そうでした。
映画は映画。どこで創られたかなんて関係ない。

舞台がシカゴだし、セリフもほとんど英語なので、「映画と言えばアメリカ映画」な感じのあなたも、あまり違和感なく観られると思います。
これをきっかけに、インド映画にハマってみては如何でしょう?

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