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『ジョーカー』(ネタバレ)〜 狂っているのは彼か?我々か?   

(Joker 2019年 アメリカ R15+)
Joker (Original Soundtrack)




『バットマン』シリーズ史上、最強最悪の悪役「ジョーカー」誕生の物語。
出演はホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロなど。
監督は『ハング・オーバー』シリーズのトッド・フィリップス。
第76回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞。


あらすじ

コメディアンを夢見ながら大道芸で生計を立て、母と二人きりの生活を送る青年、アーサー。
そんな彼が、いかにして最強最悪の犯罪者「ジョーカー」へと変貌するのか・・・?


感想

観ておいて損のない一本。
何か凄いものを観たという感覚がある。
この作品がアカデミー賞を獲っても驚かないし、かといって獲らなくても驚かない。
絶賛している人たちの気持ちも解るし、そこまでの映画か?と仰る人の気持ちもわかる。
(この段階では、人の意見に引っ張られないよう詳細までは読んでおりませんが)


DCコミックは読んだことありませんが、DC映画、特にバットマンが好きで、ホアキンも好きな役者さんなので、『ジョーカー』観たら、わたしも絶賛している人たちの仲間に入ろうと思ってたのに、イマイチ乗り切れない自分がいます。


内容的にも、わたしの大好きな色々な解釈ができる、観る人によって違った解釈になるタイプの映画。
ホアキンの怪演も光っております。
バットマンの世界観を知らなくても楽しめる話になってるし、知ってると「なるほど」と思えるシーンもあってよく作られていると思います。
では、わたしの中のこのモヤモヤは一体なんなのでしょう?


いつもはネタバレを避けて感想を書いておりますが、今回ばかりはネタバレ全開で、この映画に対する自分の思いを探っていきたいと思います。


トッド・フィリップス監督の「『タクシー・ドライバー』と『キング・オブ・コメディ』の影響を受けている」という発言を聞き、まだ未見だった『キング・オブ・コメディ』を鑑賞して準備OK。
その時の感想はこちら。
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それでは、順番に検証していきたいと思います。



ここからネタバレ

冒頭、ピエロの格好で楽器店の前で閉店セールの看板を持って立つ大道芸人のアーサー。
ジョーカーのメイクは、ここから来ているのか。


家に帰れば、二人暮らしの母と一緒にTVのコメディ・ショーを楽しむ。
母からは「ハッピー」と呼ばれるアーサー、とても愛されて育てられたことが伺える。


コメディアン志望のアーサーは、母と見るTV番組に出演している自分を妄想する。
番組の司会者は『キング・オブ・コメディ』でコメディアン志望で、TV出演を夢見ていたパプキンを演じたロバート・デ・ニーロ。
シャレの効いたオマージュで、とても好き。


アーサーがコメディアン志望であることから、コメディアン=ジョークを言う人=ジョーカーという図式が成り立ち、名前の由来も解る。


でもわたしが知りたいのは名前とメイクの理由ではなく、アーサーが狂気に走る理由なので、ここはこの位あっさり済ませてくれた方が主題に集中できる。



アーサーが仕事中に悪ガキに襲われたことを知り、大道芸事務所の仲間ランドルが護身用としてアーサーに拳銃を渡したことから事態は思わぬ方向に。


アーサーは小児病棟での仕事の際に拳銃を持ち込んだ事が事務所にバレて仕事をクビになり、その際、ランドルが事務所にアーサーから売ってくれと言われたと嘘の証言をする。
仕事も信じていた仲間も失うアーサー。
気の毒だとは思うが、感情移入はできない。なぜだろう?


もしかしたら、この辺りから物語に入り込めずに客観的な目で映画を観ていたのかもしれない。
まあ、本来映画は客観的に観るものだとは思いますが。



夜の地下鉄で、絡んできた三人の証券マンを殺害した時も、最初は正当防衛的だが最後の一人は執拗に追い、何発も銃弾を撃ち込む。
これ事件をきっかけに暴力に目覚めるアーサーと、貧困層に神格化されていくピエロのメイク。
非常に上手い造りだ。


バーのコメディ・ショーのステージに立った際の映像がデ・ニーロ扮するマレーのTV番組で紹介され、意図しない形でTVの出演依頼を受けるアーサーだが、その時には優しかった母が実は養母で、母が本当の父だと言っていたトーマス・ウェインには母の妄想だと一蹴され、母が精神病院に入っていた事や、母の恋人にアーサー自身が虐待されていた事や、恋人だと思っていたソフィーとの日々もアーサーの妄想だった事が分かったりと、観てる方も何が本当で何が嘘なのか混乱するくらいお腹いっぱいの展開が繰り広げられる。



だが、ひとつ不思議だったのが、ランドルと一緒に大道芸仲間だった小人症のゲイリーがアーサーの家を訪れた時の事だ。
アーサーは自分をハメたと言ってランドルを殺害してしまうが、ゲイリーは見逃すのである。
まだ良心が残ってるという事?
まだ完全には狂ってないっていう事?


ここでゲイリーも殺害して、完全に闇に落ちると思った瞬間だったので、逆に意表をつかれました。


その後、警察の追跡を振り切りTV出演のシーン。
生放送で自分の罪を告白するのも、『キング・オブ・コメディ』へのオマージュか?


ここでマレー=デ・ニーロを殺害するのは、パプキン=「キング」よりも「ジョーカー」の方が強いっていうシャレかとも思ったけど、考えすぎかな?



そして問題のラストシーン。
病院に入っているアーサーは、時系列的にいつのアーサーなのだろうか?
あの後にまた捕まったのか?
それとも、それまでの物語全てがアーサーが「思いついたジョーク」だったのか?


そもそも、アーサーは本当にジョーカーなのだろうか?
もしそうであれば、劇中に登場したブルース・ウェイン=バットマンとの年齢差の問題が出てくるし、あの群衆の中から、アーサーに触発された誰かがジョーカーになるという事はあり得ないだろうか?


謎は深まるばかりである。



こうして振り返ってみると、やはり良く出来た面白い映画だと思う。
なのに、このモヤモヤはなんなのでしょう?
ヤバい、もう一回観たくなってきた。


とりあえず、みなさんのレビューを読みに行こう。



こんな人にオススメ

DCが好きな人も、知らない人も。
バットマンが好きな人も、知らない人も。
ジョーカーが好きな人も、知らない人も。
この映画の存在は、ちょっとした事件です。観ておいて損はないと思います。
が、誰もが面白いと感じるかと言えば、疑問の残るわたしがいます。



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観ていて善と悪の価値観が、ちょっと訳わからなくなってしまった映画です。
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