yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』〜 この気持ち、ご理解頂けるでしょうか?

(The Killing of a Sacred Deer 2017年 イギリス・アイルランド PG12)
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(字幕版)


『籠の中の乙女』、『ロブスター』のヨルゴス・ランティモス監督のミステリー映画。
第70回カンヌ映画祭ではパルム・ドールを争い、脚本賞を受賞した。

主演は『ロブスター』でもコンビを組んだコリン・ファレル。
共演にニコール・キッドマン、バリー・コーガン、ラフィー・キャシディなど。


あらすじ

美しい眼科医の妻と、二人の子供に恵まれ、満たされた生活を送る外科医のスティーブン。

ある少年を自宅に招待した日を境に、二人の子供たちに説明不能な変化が現れる。


感想

『籠の中の乙女』、『ロブスター』と、変な映画ばかり撮って来た印象のヨルゴス・ランティモス監督が創った、やっぱり今回も変な映画。

ホラーともサスペンスとも形容しがたい不可思議な映画で、全編に渡り不穏は空気が漂っている。

BGMも、おおよそ音楽とは呼べないノイズの様な物がずっと鳴り響いていて、これがまた不安感を煽ってくる。


内容的にも難解で、監督と出演者ぐらいしか知らずに、ほぼ予備知識のない状態で観始めたわたしには、タイトルの意味もわからないし、コリン・ファレル演じる主人公が自宅に招き入れる少年の招待も不明だし、家族を襲う怪現象も呪いなのか何なのか、イマイチはっきりとしない。

しかし、物語を一気に見せてしまう力はあるし、わたしの心を惹きつける不思議な魅力に溢れた作品である。


意味がわからないのに何が面白いの?と問われれば、意味がわからないところが面白いとしか答えようがないのだが、一回観て「あぁ面白かった」ではなくて、観終わった後にあれこれ考えて、しばらくしてからまた観たくなる様な映画が好きなのである。

その時に、新しい発見があったり「やっぱりそうか」と確認出来たりするのが楽しくて仕方がない。


そうは言っても、今回は難解すぎて色々気になったので、ネットで検索していたら素晴らしい動画を発見しました。

それがコチラ↓↓↓↓↓


町山智浩 in 川越スカラ座『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』with 冒険野郎マクガイヤ―
注:再生環境によっては音声が聞き取りにくいので注意してください


敬愛する町山智浩先生のよくわかる解説です。
こういう時は、町山先生が一番頼りになります。

隣にいらっしゃる、「冒険野郎マクガイヤー」なる人物は存じ上げませんでしたが、ニコ生のほうで有名な方の様です。
とにかく、動画を上げて頂いたことに感謝、感謝。

当然、話している内容にはネタバレが含まれますので、本編鑑賞後に動画をご覧になることをオススメします。


わたしの様に、真っ白な状態で観ても面白いとは思いますが、鑑賞前に物語の基になっていると言われる『アウリスのイピゲネイア』については、知っておいた方が良いと思われます。
ja.wikipedia.org
ja.wikipedia.org


こんな人にオススメ

ヨルゴス・ランティモス監督の過去作が好きな人なら、絶対にハマる一本。

観る人によって色々な解釈ができる映画が好きな方にもオススメですが、ラストで嫌な気持ちになる「胸糞映画」でもあります。
鑑賞の際はご注意ください。