yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『ターミネーター:ニュー・フェイト』〜 「続き」という名の「パラレル・ワールド」(ネタバレなし)

(Terminator: Dark Fate 2019年 アメリカ PG12)

Terminator: Dark Fate



シリーズの生みの親ジェームス・キャメロンが、自分が関わらなかった『3』『4』『新起動/ジェニシス』をなかったことにしてシリーズに復帰。『2』の正当な続編として製作。

サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンも『2』以来の復帰。出演は他に アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイヴィスなど。

監督は『デッドプール』のティム・ミラー。


あらすじ

メキシコの自動車工場で働く女性ダニーのもとに、彼女の命を狙って未来から送り込まれた新型ターミネーター・Rev-9が現れる。

彼女の窮地を救ったのは、やはり未来から送られてきた強化人間の女性グレースだった。

共に逃げるダニーとグレースがRev-9に追い詰められた時、そこにサラ・コナーの姿が。

感想

AIの暴走により機械が人間を滅ぼそうとしている未来から、機械に対抗する人間たちの重要人物を抹殺するためのロボットが現代に送り込まれ、また人間サイドも重要人物を守る為の人、又はロボットを送ってくる。

というパターンは毎回一緒、あとは、どう味付けするかである。


過去作では、カイル・リースや、再プログラムされた「シュワちゃんターミネーター」が人間サイドから送られてきたが、今回送り込まれるのは改造を施された強化人間の女性グレース。

グレースを演じるマッケンジー・デイヴィスは、『ブレードランナー 2049』でジョイちゃんとシンクロしてKとのラブシーンを演じたマリエットとも、『タリーと私の秘密の時間』の時の奔放なタリーとも違った中性的なイメージで、めちゃめちゃカッコイイ。

長身で強い、いかにもジェームス・キャメロン好みのキャラクターとなっている。


一方、機械軍から送られて来る殺し屋ターミネーター「Rev-9」はと言えば、正直なところT-1000、T-Xを超えるインパクトを感じることはなかった。

分裂できる様になったことで戦い方のバリエーションは増えたが、T-1000で既に形を自在に変えられるようになってしまっているので、これ以上の進化は厳しいとは思いますが。


個人的には、第1作でのシュワちゃんの「ヤベェ奴が来た」感を超えることは、まず無い。


本作での、そのシュワちゃんターミネーターについては、意外すぎる設定で驚かされたが、「何故?」については少々説明不足に感じました。

年齢的にも、シュワちゃんにターミネーター役はもう無理があるんじゃないかと思って観てましたが、ラストではやっぱり熱くさせられます。


『2』のイメージそのままに年齢を重ねただけで復活したサラ・コナーはもちろん、今作で第1作でのサラ・コナーの立ち位置になるダニーも、それぞれキャラが立っているので、それだけでまず映画としては面白い。


では肝心のストーリーはどうか?

今回、『3』以降の3作をなかったことにしているが、これは『3』の時点で死んだことになっていたサラ・コナーを復活させるには『2』の続きということにするしか仕方がなかったのかなと思う。

サラ・コナーが復活した代わりに、冒頭から衝撃の展開を見せられるのだが、これは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のオープニングでの「例の1行目」以上の衝撃でした。いやぁ、びっくり。

そして、人類の命運を握るダニーをめぐり、命を狙う者と守る者のファースト・コンタクトからの肉弾戦、続いてカー・チェイスへと流れていく怒涛の展開。

ここでの、グレースが本当にカッコイイ。

この第一の山場で、完全に持ってかれました。

その後は追いつ追われつの展開を繰り広げながら、「審判の日」は回避したはずなのに何故ターミネーターが送られてきたのかとか、ダニーの命が狙われる理由などが明かされながら、物語はクライマックスへ。

終盤、サラ・コナーが絶対に言うだろうなと思いながら観てたあるセリフ。実際に言われると、胸に熱いものがこみ上げて来ます。


最後は、『1』のラストにも重なるような終わり方で、これも非常に好きです。



終わり方と言えば、『3』のラストもすごい好きなので(本編も好きですが)、やっぱりなかったことにするのは、ちょっと寂しいです。

そもそも、『2』のシュワちゃんが正義のターミネーターになってしまう設定も、どうかと思っていた私にとっては(これも映画は好きですよ)、なんでもありで良いんじゃないかと思ってしまうのです。

次回、やっぱり『ニュー・フェイト』もなしって言われても、全然驚きませんよ、わたしは。

TVシリーズや『ジェニシス』も含め、すべて可能性の未来として、それぞれ存在しているという認識で良いと思います。


そしてやっぱり、わたしにとっては第1作の『ターミネーター』が唯一無二の存在なのだという結論に至りました。


こんな人にオススメ

シリーズのファンには、色々言う前に是非観てもらいたい。

『2』が好きな人が一番多いとは思いますが、わたしの様に『1』が好きという人もいると思います。
もしかしたら『ジェニシス』が一番という人もいるかもしれない。

シリーズものは、それぞれの人がそれぞれの作品に思い入れがあったりするので、全員が納得いく続編というのは難しいかと思います。

そういう意味で、本作は『1』のファンにも、『2』のファンにも目配せしつつ、ちょっと『3』の要素もあったりして、シリーズのファンに向けた映画としては完璧に近いものになっているのではないでしょうか。

ターミネーター:ニュー・フェイト (字幕版)

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