yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』〜 そして「オリジナル」は神話になった

(Star Wars: The Rise Of Skywalker 2019年 アメリカ)

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け オリジナル・サウンドトラック(限定盤)




遂に終わった。

40年間観続けてきた物語が終わってしまった。

「スカイウォーカー・サーガ」は終わり、その精神が受け継がれるという綺麗なエンディングであった。

世間では色々言われている(この時点では、まだ詳しく読んではいないが)ようだが、個人的には満足のいく作品だったし、「続・三部作」全体として楽しませてもらった。

相変わらず、わたしの映画に対する「面白い」のハードルは低いのだなぁと実感した。

その分、他の人よりも楽しめるのだから良しとすることにしよう。

それにしても、世間のみなさんは映画に対する造詣が深いというか、色々なことを考えながら観てらっしゃる方が多くて驚かされます。



それはさておき。



「続・三部作」の出来に満足だと書いたが、決して大満足ではない。

やはり『スター・ウォーズ』、特にスカイウォーカーの物語はジョージ・ルーカスに描いて欲しかった。

彼がオリジナル三部作を作っていた当初から構想していたエピソード7〜9とは、どういったものだったのだろうか?

わたしが40年間楽しみにしてきた物語は、きっとこれではないはず。

だってルーカスが作ってないのだから。

彼が作ったものだっら、100パーセント納得できたはず。

『スター・ウォーズ』は、元々ルーカスが作り出したルーカスの物。

彼が「こういうお話です」と言うならば、我々に文句を言う筋合いはない。はず。

とは言え、オリジナル三部作の度重なる修正に関しては、ちょっと疑問符。

今のバージョンも嫌いではないけど、やっぱり最初の劇場公開版をもう一度観たいのです。




でも、当のルーカスが自ら手を引いてしまったのだから仕方がない。

我々には、与えられた物を楽しむか、嫌なら観ないしかないのである。

で、当然わたしは前者を選んだわけですが、今回の三部作に関しては、その製作の方法に色々「失敗」の原因があったと思います。

まず、一番の失敗は最初に三部作の流れを決めずに作り出してしまったこと。

しかも監督もバラバラ。

結果、J・J・エイブラムスが「オリジナル」のファンが喜びそうな物を作り、続いてライアン・ジョンソンが「同じことをやっても仕方がない」と全く新しい『スター・ウォーズ』作り出そうとし、最後に降板したコリン・トレヴォロウに変わってJ・J・エイブラムスがもう一度軌道修正を図るというチグハグなシリーズになってしまった。

これはこれで、面白い物を観せてもらった。

普通、三部作で作るって決めておいてストーリーが決まってないんてことがあるのだろうか?しかも大金を掛けといて。

実際あったんですけど。


そうなってくると気になるのがJ・J・エイブラムス想定していたエピソード8と、ライアン・ジョンソンが想定していたエピソード9。

きっと、なんとなくでも考えていたはず。

そもそも、彼らのどちらかにシリーズ全体の指揮を取らせるという選択肢はなかったのだろうか?

まだまだどうなるかわからないが、次の『スター・ウォーズ』はライアン・ジョンソンによる三部作になるという。

『最後のジェダイ』を観る限り、何か新しいものを見せてくれる予感はする。

『ローグ・ワン』の時に感じた、フォースがなくても成立する『スター・ウォーズ』への興奮がまた味わえそうである。

だったら、いっそ今回の三部作はJ・J・エイブラムスの指揮の元、「オリジナル」のファンへ向けた三部作にしてしまって方が潔かったのではないだろうか。

もう、今更ですが。

今作でわたしが心を動かされたシーンも、ほとんどが「オリジナル」三部作に関係するものでした。

全体のストーリーも好きですよ。レイの出生の秘密も、カイロ・レンことベン・ソロの物語も、ポー・ダメロンと新キャラとのエピソードも、フィンの活躍も、BB-8の頑張りも。

でも、古い友人を失ったチューイの慟哭に涙を誘われるし、あの人のあの機体が出てきた時には鳥肌が立ったし、『最後のジェダイ』で非業の死を遂げた彼の息子が登場した時にはニヤリとしちゃうし、あの人の再登場には本当に驚いたし、今回もあの時と同じようにあの人があの船で活躍すればあの興奮が再びなのです。

J・Jは、本当にこういうの上手いなぁと思います。

『フォースの覚醒』でミレニアム・ファルコンが登場して以来、「こんなシーンが見たかった」の連続なのです。

そうなると三作通じて「もっと、そんなシーンが見たかった」と思ってしまいます。



でも、もうそれも終わり。わたしも気持ちを切り替えます。


「オリジナル三部作」という偉大な作品があり、その前日譚となる「プリクエル三部作」、次世代を描く「シークエル三部作」、直前の物語を描くスピン・オフと、人気キャラの過去を描くスピン・オフ。

全ては、長々と「オリジナル三部作」の素晴らしさを確認する作業だった気がします。


これからは、まだまだ広がっていくであろう『スター・ウォーズ』の新しい世界を楽しみにしましょう。