(Knives Out 2019年 アメリカ)
『LOOPER/ルーパー』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン監督が製作・脚本も兼ね、『007』シリーズのダニエル・クレイグ、『ブレード・ランナー 2049』のアナ・デ・アルマス、『キャプテン・アメリカ』シリーズのクリス・エヴァンス、『ハロウィン』『トゥルー・ライズ』のジェイミー・リー・カーティス、『シェイプ・オブ・ウォーター』のマイケル・シャノン、TVシリーズ『マイアミ・バイス』のドン・ジョンソン、『500ページの夢の束』『ヘレディタリー/継承』のトニ・コレット、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のジェイデン・マーテル、「ゲティ家の身代金』のクリストファー・プラマーなど、オールスター・キャスと描く。
あらすじ
推理小説のベスト・セラーを連発し莫大な財産を築いたハーラン・スロンビーが、85歳の誕生パーティーの翌朝、書斎に死んでいるのが発見される。
一度は自殺と結論づけられ捜査は終了するが、ある朝、警察によりハーランの親族や関係者が屋敷に集められ、再び証言を求められる。
そこには、匿名で事件の捜査依頼を受けた私立探偵のブノワ・ブランの姿があった。
感想
これまた大々的に”ネタバレ厳禁”と謳われた、大変感想の書きにくい作品である。
わたしはいつも、極力ネタバレしないように感想を書くようには努めておりますが、ストーリーを知ってしまったら面白くなくなってしまうような映画が「出来の良い映画」「面白い映画」だとは思っておりません。
現に、何度観ても面白い映画というのは沢山あります。
かの有名な、”I am your father." "Noooooo!"のシーンなんて何回見てもグッと来ます。流石に、もう驚きませんけど。
しかしながら、「ネタバレしないでね」と言われてるものをワザワザ暴露するような趣味も持ち合わせていないので、今回も内容には極力触れずに進めてまいりたいと思います。
今作で一番感じたのは、ライアン・ジョンソンが作家性の強い監督だということ。
『LOOPER/ルーパー』の時はアイデアのフレッシュさを感じたし、『最後のジェダイ』の時も「新しいもの」を作ろうとする姿勢を強く感じました。
『最後のジェダイ』では、それが賛否を呼ぶ結果となってしまいましたが、むしろ「スカイウォーカー」から離れた次期シリーズでは、ライアン・ジョンソンの本領が発揮できるのではないかと期待が高まります。
とは言え、今作ではそこまで「こんなの見たことない」感が高かったわけではなく、個人的には「こんな話、シャーロック・ホームズ・シリーズにあったかも」と感じてしまいました。決して、「あった」というわけではありません。
敢えてその感じを狙ったのだとすれば、完全にわたしの負けです。
キャストも良かったですね。
クリス・エヴァンスも良かったんですが、彼は『gifted/ギフテッド』で既に『キャプテン・アメリカ』のイメージを払拭して、わたしを泣かせてくれたので、今回は「まぁ、このぐらいはやるかな?」って感じ。
それよりもダニエル・クレイグの「ちょっとポンコツな感じ」が最高に面白かった。
『カウボーイ & エイリアン』でも『ドラゴン・タトゥーの女』でも、まだ「ジェームス・ボンド感」が満載だったので、遂にイメージの払拭に成功したんじゃないでしょうか?
そして何と言っても今作のMVPは、その『ジェームス・ボンド』シリーズ最新作でもダニエル・クレイグと共演している、「みんなのジョイちゃん」ことアナ・デ・アルマス嬢。
最高でしたね。
今回は溢れ出すセクシーさは封印し、「そんな人います?」っていうまさかのキャラ設定で笑わせてくれます。
シリアスなミステリー映画だと思って観てたので、意表を突かれてマジで吹いちゃいました。
今作の主役は、彼女なんじゃないでしょうか?
ゴージャスなイメージでしたが、幸薄い役も意外にハマってました。
そんな二人の『007』での共演を、わたしは笑わずに観られるのか?ちょっと心配。
スチールを見る限りではかなりセクシーな役柄の様なので、ちょっと楽しみです。
いやぁ、ホントに楽しい時間を過ごせました。
二転三転どころか、四転五転するストーリー。
オチまで知った上で、もう一度観たいです。