『アメリカン・グラフィティ』〜 青春の一夜であり、青春時代の縮図

(American Graffiti 1973年 アメリカ)

アメリカン・グラフィティ (字幕版)


ジョージ・ルーカスの監督第2作で、ルーカス自身の高校時代の話をベースに、高校を卒業した青年たちの一夜の出来事を描く。

出演は、『ジョーズ』、『未知との遭遇』などルーカスの盟友スティーブン・スピルバーグの作品にも度々出演しているリチャード・ドレイファス。『ダ・ヴィンチ・コード』や『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー 』などで今や監督として大成し、1988年にはルーカス製作のファンタジー映画『ウィロー』の監督もしているロン・ハワードなど。

主人公グループの一人に自動車レースを挑んでくる男の役で、ハリソン・フォードも出演している。



あらすじ


1962年の夏、高校を卒業したばかりのカート、スティーブ、ジョン、テリーの4人は、今日もメルズ・ドライブインに集まっている。

カートとスティーブは大学進学のため明日には街を出ることになっていたが、カートは進学を止めると言い出し、スティーブは恋人のローリーに「離れている間の交際は自由にしよう」と切り出す。

高校時代の思い出にと新入生歓迎ダンスパーティーに向かうカート、スティーブ、ローリーに対し、ジョンは「そんなの下らない」と自慢の改造車で街に繰り出す。



感想


高校を卒業して新しい生活を目の前に迎えた青年たちの希望と不安の入り交じった感情を一夜の出来事として描いているが、実は青春時代全体が凝縮されている物語であると感じた。

くっついたり離れたり、女子を追いかけたり、車に夢中になったり、誰もが誰かに共感できる部分があるんじゃないかと思います。


わたしは高校まで田舎の街で暮らしていたので、大学の4年間がまさに毎日「こんな感じ」でした。

社会に出る不安をかき消すかのように、最後の「自由」を楽しんでいました。



1962年と言うと、ベトナム戦争に突入する前のアメリカがまだ明るかった時代の話なので、当時のアメリカ人にとってはまた別の意味でも心に刺さる映画だったのではないだろうか。



ここまでの感想では、悲壮感の漂う暗い映画のように思えるかも知れないが、実際には楽しい青春映画なのでご安心を。

当時のヒット曲満載のサントラもノリノリで、オープニングに流れる『ロック・アラウンド・ザ・クロック』からはじまり、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でお馴染みの『ジョニー・B・グッド』、『アット・ザ・ホップ』、『悲しき街角』、『ゲット・ア・ジョブ』など、タイトルは知らなくても聞いたことはあるような有名な曲ばかり。

オールディーズ好きのわたしにとっては、映像の雰囲気も合いまってBGVとして流しているのも心地よい一本です。



最後に、分かってくれる人がどれだけいるか分かりませんが、白いTシャツにリーゼントで決め、ホットロッド仕様の改造車を駆るジョンが『シャコタン・ブギ』の「ジュンちゃん」に見えて仕方ありません。


気になる人は、調べてみてやーっ。




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