(Modern Times 1936年 アメリカ)
ご存知チャーリー・チャップリンの代表作のひとつで、監督・製作・脚本・作曲もチャップリン。
本作が制作された当時は、いわゆるトーキー映画が既に普及していたが、敢えてサイレント映画に音楽と効果音が入るサウンド版として制作された。
ただ一ヶ所、チャップリン自身の肉声で歌声を披露しているシーンがある。
あらすじ
工場の流れ作業で、ベルトコンベアーで流れてくる部品のネジを絞めるだけの単純作業を繰り返すチャーリー。
単調な作業を続けるうちに精神に異常をきたしたチャーリーは、遂には精神病院に入れられてしまう。
感想
言わずと知れた喜劇の王様、チャールズ・チャップリン。
本作の有名なシーン、チャップリンがベルトコンベアーから機械の中に入り込んでしまう場面は、本編を観たことがない人でも知ってるんじゃないでしょうか?
もうひとつ本作で有名なのが、チャップリン自身が作曲したテーマ曲『smile』。
インストゥルメンタルだったこの曲に後に詩が付けられ、マイケル・ジャクソンをはじめ様々アーティストによってカバーされている。
最近では、DC映画『ジョーカー』で使われたことでも話題になった。
『ジョーカー』では、富裕層の観客たちが『モダンタイムス』を鑑賞して笑っているシーンがあったが、あらためて本作を観るとそのシーンの意味するところは何だったのか?また考えさせられてしまう。
が、今回は『ジョーカー』のレビューではないので、また別の機会に。
と言っても、そんなに深い考察が出来るわけではないですけど。
その『ジョーカー』で使われたローラースケートのシーンを見ながら、『ジョーカー』の中でも皆んな笑ってたなぁ、動きだけで笑わせるなんて凄いよなぁ、なんてことを考えてたら、そんな人が日本にもいた事を思い出した。
そう言えば、彼もチャップリンの様な燕尾服に口髭でダンスを踊ってた。
彼とはもちろん志村けんのことである。
志村さんも様々なタイプの笑いを見せてくれた。
その中でもわたしが好きなのは、ヒゲダンスのように、セリフがなく動きだけで見せる笑いだった。
そんな志村さんが、海外でも人気があったことを知ったのは彼が亡くなった後だった。
やはり「笑い」は世界共通なんだ。
志村さんでもっと笑いたかった。
志村さんにもっと笑わせて欲しかった。
そんなことを考えてると、だんだん切なくなってくる。
でも、生涯かけて我々を笑わせてくれた志村さんは、きっとそんな感傷は望んでいない。
みんなに笑っていて欲しいはずである。
残された我々は、笑って生きていかなければいけないのである。
映画のラスト、何をやっても上手くいかないと嘆く少女に対しチャップリンは言う「二人なら大丈夫」。
決意の表情で歩き出す少女に、今度はジェスチャーで「笑顔で」と示す。
わたしの人生のテーマです。
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