yakkunの趣夫生活

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『国際市場で逢いましょう』〜 コミカルなタッチで描く激動の韓国史

(국제시장 Ode to My Father 2014年 韓国)
国際市場で逢いましょう(字幕版)





公開当時、韓国映画歴代4位となる観客動員1400万人を記録し、韓国のアカデミー賞と言われる大鐘賞で作品賞、監督賞など10部門を受賞した。


主演は『新しき世界』、『哭声/コクソン』の実力派ファン・ジョンミン

共演に『10人の泥棒たち』、『トンネル 闇に鎖された男 』の個性派オ・ダルスや、『シュリ』で日本でもブレイクし、米ドラマ『LOST』にも出演したキム・ユンジンなど。

ファン・ジョンミンとオ・ダルスは、大鐘賞でそれぞれ主演男優賞、助演男優賞を受賞。


監督は『マイ・ボス・マイ・ヒーロー』、『TSUNAMI ツナミ』のユン・ジェギュン




あらすじ


朝鮮戦争の最中、興南(現在の北朝鮮)から脱出する際に父と妹と逸れてしまったユン・ドスクは、母や弟たちと共に釜山の国際市場に店を構える父の妹の元へ。


やがて青年へと成長したドスクは、父が別れ際に残した「お前が家長として家族を守れ」という言葉を守り、弟の学費を稼ぐ為に西ドイツの炭鉱へ出稼ぎに行き、妹の結婚資金の為に技術者としてベトナム戦争に出兵する。


そして、そこにはいつも親友であるダルグが一緒だった。




感想

激動の歴史は脇役、家族が主役


韓国の歴史、文化に詳しければもっと楽しめたのだろうか。

後の韓国人有名ファッション・デザイナーや、後のシルム(いわゆる韓国相撲)のスター選手が出てきたり、ベトナムでスター歌手ナム・ジン(演じるのは東方神起のユンホ)に会ったりと行った小ネタも、分かる人はニヤッと出来るのだろうが、わたしには「えっ?誰?」って感じです。

K-POPは大好きなんですけど。


でも、それぞれのシーンはその人物が誰か分からなくても笑えるコミカルなシーンに仕上がっているのでご安心(?)を。

本編の邪魔にならない程度の、本当に小ネタで収まっていて良いと思います。



そして、本作で何より好感が持てたのが、全体的に「押しが強すぎない」ところ。

朝鮮戦争によって家族が分断された悲劇については言及しているものの、そこに「私たちは被害者です」「可哀想でしょ」といったアピールまでは感じられない。

歴史的事実として「こんなことがありました」程度に描いている様に感じました。


韓国のベトナム戦争への参戦についても、肯定も否定もせず事実として戦争があったのでドスクはお金のために出兵しただけ。

韓国の激動の歴史を背景にはしているが、本作はあくまでも主人公ドスクとその家族の物語なのである。



ただ、物語の鍵となるのが朝鮮半島とベトナムで起きた二つの戦争であり、その戦争が悲劇以外に何も生み出さないものとして扱われているという意味では、反戦映画であるとも言える。



主要3キャラの存在感


やはり、そんな物語が盛り上がるのは演じる役者さんがあってこそ。

もちろん、大鐘賞助演男優賞に輝いたオ・ダルスは良い味出してるし、キム・ユンジンの控えめな演技も夫を支える妻という感じでとても良い。

だが何と言っても、主人公ドスクを演じるファン・ジョンミン。


あの『新しき世界』のチンピラと同一人物が演じてるとは思えない、見るからに良い人。

大鐘賞主演男優賞も納得です。



お三方共なんですが、青年期から老年期まで上手く演じ分けてましたね。

老人の特殊メイクは流石に「メイクだな」って分かっちゃいますが、髪型と服装で20代に見えちゃうからすごい。

みなさん40代ですよ。



120点の邦題


わたしは、原題と掛け離れた邦題が、製作者の意図と違ってしまいそうで、あまり好きではないのだが、本作は例外。

とても良い邦題だと思います。


原題の『국제시장』はそのまま「国際市場」、英題の『Ode to My Father』は「父に捧げる歌」といった意味でしょうか。


なぜ邦題には「逢いましょう」が付いたのか?

それが終盤になって分かった時には溜飲が下がる思いでした。


なぜドスクは叔母の残したお店に固執するのか?


なぜお店の名前を変えないのか?


全てが明らかになり、スッキリすると共に込み上げる感動



人生は辛い事ばかりじゃない。

辛い事があるから喜びもある。