yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『デッドフォール』〜 外連味たっぷりの”the 映画”

(Tango & Cash 1989年 アメリカ)
デッドフォール (字幕版)






『ロッキー』、『ランボー』シリーズのシルベスター・スタローンと、『ニューヨーク1997』、『遊星からの物体X』、『ゴーストハンターズ』カート・ラッセルの二大スター共演によるコメディ・アクション。

監督は『暴走機関車』のアンドレイ・コンチャロフスキー




あらすじ


三揃いのスーツで決めたロサンゼルス警察西分署のインテリ刑事レイモンド・タンゴ(シルベスター・スタローン)と、ワイルドで破天荒な中央分署のガブリエル・キャッシュ(カート・ラッセル)。

タイプもスタイルも対照的な二人だが、麻薬取締担当刑事としては市警トップの座を争うライバル同士。


そんなタンゴとキャッシュに散々煮湯を飲まされて来た犯罪組織のボスは、二人に押収品横流しとFBI捜査官殺しの濡れ衣を着せ刑務所送りにしてしまう。




感想

スタローンの新境地「コンビ芸」

それまで『ランボー』にしても『コブラ』にしても、いつも一人で戦うイメージの強かったスタローンが『ナイトホークス』以来にコンビを組んだバディ物。


しかも今回の相方は『ナイトホークス』のビリー・ディー・ウィリアムズのような添え物的な相方ではなく、W主演とも言えるカート・ラッセル。


当時、アクション・スターとして脂の乗りきった二人が、対照的なキャラクターで反発し合いながらも同じ目的の為に協力していく流れが気持ちイイ。


スタローンの新たな魅力を引き出したとも言える本作だが、その要因は相手役のカート・ラッセルによる処が大きいと思う。


「掛け合い」は相手があってこそ。


そう言う意味で本作の二人は「もっと見ていたい」と思わせるコンビだし、キャスティングの勝利と言える。


色々と無理のある設定&無茶な展開だが、楽しいから許しちゃう。

と言うか、楽しい展開にする為に、敢えて派手で無茶な演出をしている感じ。



派手と無茶は映画の醍醐味

オープニングで、サイレンを鳴らしながらタンクローリーを追うタンゴが乗っているパトカーは、何とオープンカー。


カッコイイけど有り得ない



タンクローリーを追い越したかと思ったら遥か前方まで行ってからパトカーを降りるタンゴ。

向かってくるタンクローリーに拳銃を数発発砲すると、タンゴの直前で急ブレーキ。

犯人の二人は、キレイにフロントガラスを破って飛び出して来る。


見た目はド派手だが、安全の為にシートベルトは忘れずに。



犯人は逮捕となるが、タンゴが管轄外まで追ってきた為、管轄の警官がタンゴに向かって捲し立てる。

「何様のつもりだ!?」「ランボーのつもりなのさ。」

そこでタンゴが一言「ランボー なんか目じゃないぜ」


こういう自虐ネタ好き。



タンクの中を調べるが中身はガソリンしか入ってない。

ところがタンゴがタンクに向かって一発発砲すると、開いた穴から麻薬がサラサラと流れ落ちる。


彼には確証があったのかも知れないが、一応ガソリンも入ってるし、万が一の事もあるので不用意な発泡は控えましょう



二人とも優秀なはずなのに、簡単に敵の罠に引っ掛かっちゃうし、ロクな捜査もされないまま優秀な警官二人が刑務所送りにされちゃうし、犯罪組織の親玉は簡単に刑務所を出入りしてるし、リアリティーなんてこれっぽっちもないってぐらい、ふたりの掛け合いと無茶な展開を楽しむ映画です。



無茶と言えば、『ナイトホークス』でのスタローンの髭面女装に変わりまして、本作ではカート・ラッセルが女装を披露しております。

どこからどう見てもカート・ラッセルなのだが、警官たちはこの女装に気付かずスルー。


タンゴとキャッシュが優秀なんじゃない。

きっと他の警官が無能過ぎるんだ。


映画的展開を楽しむ映画


ここまで読んだらディスってるように聞こえるかも知れないが、ホントに好きなんです。


映画は「非現実」を楽しむもの、「非日常」の世界に浸る物だと思ってます。


わたしは、そこにリアリティは求めておりません

時と場合に寄りますが。


アクション映画であっても、恋愛映画であっても、映画的ファンタジーを楽しみたいのです。



本作は「御都合主義的」と言えば「御都合主義的」な展開ばっかりです。


休みの日にビールとポテトチップをお供に観るのには、こんな作品の方が気軽に観られて良いと思いますが如何でしょう?




デッドフォール (字幕版)

デッドフォール (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video