(The Cabin in the Woods 2012年 アメリカ)
『クローバーフィールド/HAKAISHA 』の脚本家ドリュー・ゴダードが監督・脚本、『アベンジャーズ』の監督ジョス・ウェドンが脚本・製作によるホラー映画。
出演は『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワース、『シェイプ・オブ・ウォーター』のリチャード・ジェンキンズ、『エイリアン』『ゴーストバスターズ』『アバター』のシガニー・ウィーバーなど。
あらすじ
週末を森の中にある山小屋で過ごそうと集まった、失恋したばかりのデイナ、彼女の親友ジュールズ、ジュールズの彼氏カート(クリス・ヘムズワース)、傷心のデイナに紹介しようとカートが連れて来たホールデン、年中大麻でラリってるマーティの大学生の男女5人。
森へ向かう途中のガソリンスタンドで小屋にまつわる不気味な噂を聞かされつつ小屋に着いた5人は湖で泳いだりと週末を楽しむが、そんな彼らを小屋中に仕掛けられた監視カメラで見張る者が・・・。
感想
ホラーであってホラーじゃない?
チコちゃんが言うには「夏と言えば怖い話」っていうのは日本だけらしいねん。
じゃあ、ホラーちゃうかぁ〜!?
と言いつつ、夏になるとやっぱりホラーが観たくなるのです。
怖い思いはしたく無いけど、怖い映画は好き!
わたし以外にもそういう人がいると信じ、今回紹介するのは『キャビン』
原題は『The Cabin in the Woods』で「森の中の小屋」の意味。
そうです。『死霊のはらわた』や『キャビン・フィーバー』など、ホラー映画でよく見るアレです。
と言うと二番煎じ映画かと思われそうですが、この映画はその「よくある設定」を逆手に取って、その「よくある設定」を裏で作り出している組織がいるってお話。
しかしこの組織の存在がオチではなく、序盤から登場しちゃってて、映画の様な流れで若者たちを恐怖に陥れる組織と、そんなこととは露知らず酷い目に遭わされる若者達のお話。
謎の組織の人たちも大変
ところで、この組織の人たちは何故こんな事をしてるのかって理由は徐々に明らかになって行くんだけど、どうやらこの組織は世界中にあるらしく、冒頭の会話で「ストックホルムが失敗した」「残るは日本と我々だけだ」なんて会話が交わされます。
働いている人たちも普通の会社員みたいで、コーヒー飲みながら家庭のグチを言ったりしてて、悪い人たちではない感じ。
モニターで若者たちの行動を監視しながら、ハイテク設備を駆使して若者たちをコントロールします。
導かれるように5人の若者が入った地下室には様々な不気味グッズが!
実はこのグッズがそれぞれホラー・モンスターを呼び出す「きっかけ」になっており、彼らが一体どのモンスターを呼び出すかを懸けて謎の組織は大盛り上がり。
ゲーム感覚で人の生死を操ってるようで何か不謹慎な感じがしたが、遂に最初の犠牲者が出ると祈りを捧げて敬意を払う一面も。
彼らも楽しんでやっている訳では無さそう。
しかし、ゾンビ一家が蘇り若者襲い始めたので一安心と思いきや、予想外のトラブルが次々に発生してしまい、謎の組織はてんやわんや。
コメディーなの?
若者たち、そして謎の組織の運命や如何に。
『死霊のはらわた』は観ておこう
様々なホラー映画のネタが盛り沢山の本作。
別にホラー映画に詳しくなくても楽しめるとは思いますが、何か観ておくとしたら『死霊のはらわた』でしょう。
「森の中の小屋」、「不気味な本」、「呪文を読んでしまい○○が復活」の元ネタが『死霊のはらわた』であることは明らか。
ホラー映画の古典的名作なので、観ておいて損はないと思います。
でも、ホラー映画に詳しければ詳しいほど、本作が楽しめるのは確か。
終盤は正にホラー祭り。ホラーのオールスター感謝祭なのです。
前述の謎の組織・日本支部も、京都の小学生達を教室に閉じ込めてジャパニーズ・ホラーの雰囲気で頑張っておりましたが、幽霊の周りで手を繋いで輪を作り「どんぐりコロコロ」を歌いと言う謎の儀式で幽霊を成仏させてしまいます。
いやあ、このシーンが一番笑った。
だが、笑っていられないのがアメリカの謎の組織。
もう自分たちしか残っていないので、絶対に失敗できない。
トラブル解決の為に、必死で走り回ります。
この辺では、頑張ってる組織側のおじさん達を応援したくなるよう演出されているのが、結構上手い。
おじさん達も応援したいが、罪の無い若者達が犠牲になるのも可哀想すぎる。
どっちも頑張れ!
しかし何故、謎の組織はこんな事をしているのか?
そこには衝撃の理由が!!
アイデアだけで勝負にでた映画のように感じるかも知れないが、実はしっかりと作り込まれている作品です。
色々な映画の要素が入っているのに、唯一無二の不思議な映画。