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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』〜 MADな世界の歩き方

(Mad Max: Fury Road 2015年 オーストラリア・アメリカ R-15)
マッドマックス 怒りのデス・ロード(字幕版)




いよいよ『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が、地上波初放送!


基本的には「追いかけっこ」、「行って帰る」だけの単純なストーリーの中に隠された複雑な人間ドラマを、わたしなりの解釈で解説。


シリーズの過去作を観ていない、『マッドマックス』初心者の方も大丈夫、これを読んで観賞に備えて下さい。



監督は、過去のシリーズ作品も全て監督しているジョージ・ミラー


主人公マックス役は新たにトム・ハーディが務め、もう一人の主役とも言えるフュリオサ役をシャーリーズ・セロンが頭を丸めて熱演。


共演は他にシタデル砦の支配者イモータン・ジョーを『マッドマックス』にも暴走族のリーダー・トッカーター役で出演していたヒュー・キース・バーンが演じ、ウォーボーイズの青年ニュークス役をニコラス・ホルト、イモータンの5人の妻役をロージー・ハンティントン=ホワイトリーライリー・キーオゾーイ・クラヴィッツアビー・リーコートニー・イートンがそれぞれ演じる。


これだけは知っておこう


過去作を観ていなくても、本作だけで充分楽しめるとは思いますが、第1作から3作まで観る時間はないがどんなシリーズなのかは知っておきたいという方の為に『マッドマックス』ワールドを簡単にご紹介。

『マッドマックス』シリーズとは


1979年にオーストラリアで製作された『マッドマックス』は、当時まだ無名だったジョージ・ミラー監督と主演のメル・ギブソンを一躍世界に知らしめた


低予算で創られた第1作のヒットを受け、10倍の制作費を掛けて1981年に製作された『マッドマックス2』も世界中で大ヒットし、その独特の世界観は日本の漫画『北斗の拳』などに影響を与え、核戦争後の荒廃した地球を舞台にした数々の亜流作品を生み出した。


1985年にハリウッド資本と提携した第3作『マッドマックス/サンダードーム』公開後、何度も第4作の製作のニュースが流れるが、世界情勢の不安や、撮影地の砂漠が大雨によって花咲く草原になってしまうなどのトラブルで度々延期、27年後の2015年に遂に公開されたのが本作『マッドマックス 怒りのデスロード』なのである。


主人公マックスとは


本名はマクシミリアン・ロカタンスキーで、元警察官。


暴走族による凶悪事件が多発する近未来を舞台にした第1作で、特殊警察「MFP」に所属するマックスは、親友である同僚のグース、そして妻と子の命を暴走族に奪われ、怒りのままに復讐を果たす。


核戦争後の世界を舞台にした『マッドマックス2』では、貴重な石油を廻って争う、製油所の人々と暴走族の抗争に巻き込まれ、最初はガソリンを貰って直ぐ立ち去るつもりだったマックスは、いつしか製油所の人たちを助けるためにトレーラーのハンドルを握る。


『マッドマックス/サンダードーム』では、砂漠を彷徨った末にたどり着いた物々交換の街バーター・タウンを舞台に、街を支配する女王アウンティの元で働かされている男と、砂漠の中のオアシスで生き延びていた子供たちだけのコミュニティを、今回も結果的に助けることになる。


この様に、マックスという男は勧善懲悪のヒーローではない。


家族を失った『マッドマックス2』以降は、基本的に自分が生き延びることしか考えていない。


しかし、いつも最終的に困っている人々を救うことになる。


今作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』も基本的には同じ流れの話だが、主演もメル・ギブソンからトム・ハーディへと若返り、27年間の鬱憤を晴らす様なド派手な映画に仕上がっております。


今回のお話


愛する家族を失い、ひとり荒野を彷徨うマックスにイモータン・ジョーの軍団が襲い掛かる。


捕らえられたマックスは健康な血液を保つ為、病に苦しむウォーボーイズ用の”輸血袋”として利用される事に。


同じころ、イモータンの軍団の大隊長フュリオサが、イモータンの5人の妻たちを連れて逃亡するという反逆を企てる。


『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の世界


シリーズ4作目という先入観と、劇中度々挿入されるマックスを襲うフラッシュ・バック、前触れなくマッドマックス・ワールドに放り込まれる唐突感からか、過去作を観ていないと理解出来ないのか思う方もいた様だが、全然そんなことはありません。


ここからは、予備知識なしで本作を観ても、ここまでは推察出来ると言う事を書いてみようと思います。

フラッシュ・バックの謎


やはりこのフラッシュ・バックが、過去作からの繋がりがある様に感じさせる1番の要因の様で、フラッシュ・バックに登場する人たちの中に現れる少女は「亡くなったマックスの子?」などと考え過ぎちゃう人もいたようです。


だが、マックスを「マックス」と呼んでいる時点で彼の子でない事は分かるし、「助けると約束したのに」というセリフは言わばマックスの妄想なので、助けたかったのに助けられなかった後悔が、ずっとマックスを苦しめている事が理解出来ます。


そしてこのフラッシュ・バックに現れる人たちの正体が分からなくても、過去の亡霊に囚われ続けた為にマックスは人との繋がりを避けるようになったのではないかと推察出来る。


今回も、フュリオサや5人の妻たちを置き去りに一人で逃げようとするマックスであったが、結局は彼女たちを助ける事に


イモータン・ジョーとは


荒野に聳える岩山の砦シタデルの支配者イモータン・ジョー。


彼を支配者たらしめているのは、やはり水の存在である。


形式上は、石油を支配するガス・タウンの人食い男爵、武器・弾薬工場のバレット・ファームの武器将軍と三つ巴の力関係の様にも見えるが、生活に直結する水を牛耳るイモータンが実質権力の頂点に立ってると言えるだろう。


なので、人食い男爵も武器将軍も、イモータンの”内輪揉め”に総力上げて駆けつけざるを得なかったのではなかろうか。


劇中では、野菜を栽培する農場のようなものも登場しており、ある程度の食糧は自給自足できている事が見て取れる。


やはり、水と食糧を支配できる者は、この世界にあっては相当な権力者になれるであろう。


そして、冒頭のナレーションで「寿命が半分になった」とされる世界に於いて、50歳は過ぎているであろうイモータンは長生きの部類に入り、その優秀な遺伝子を残す為に美しい「子産み女」たちの遺伝子と掛け合わせようという企みは無理からぬ発想だ。


この水の支配と、長生き、美しい妻たちを「所有」している事が、彼に強いカリスマ性をもたらしている。


だが、豊富な水と食糧、そしてカリスマ性を持ってしても、そんな彼の支配から美しい妻たちが逃げ出したいと思うのも、また無理のない話ではある。


そんな彼女たちを、イモータンの軍隊の大隊長であるフュリオサが助けるに至った理由について本編中で語られる事はないが、過去に何らかの因縁があったらしい事だけは分かる。




ウォーボーイズ、そしてシタデルに住む人々


イモータン・ジョーに従い、彼を守り、彼の為に働くウォーボーイズ。


彼らがイモータンを崇拝する理由は、そのカリスマ性にもあるが、その「教え」に寄るものも大きい。


その教えとは、名誉の戦死を遂げれば英雄の館(ヴァルハラ)に招かれ、再び命を与えられるというもの。


ウォーボーイズの一人ニュークスの言う「I live,I die,I live again」である。


彼らが死を賭す時、口の周りに銀色のスプレーを吹き付け「Witness me!(俺を見ろ)」と叫び、周りの者も「Wittness!(見ろ)」と盛り上げる。


華々しく散った彼らは、英雄として迎えられ転生すると信じて。


環境汚染により蝕まれ寿命の短い彼らにとって、人生の意味、目的とはイモータンの為に働き、英雄として死を迎え、新しい人生を手に入れる事なのである。


しかし、ニュークスは今作に於いて、別の生きる意味を見つける事になるのだが・・・。



一方、イモータンの砦シタデルの麓で暮らす人々は、彼のカリスマ性に惹かれている訳ではなく、単純に水と食糧を手に入れる為だけにここに住んでいる様に思う。


ちなみに、本編中は食糧を与えられる描写は出てこないが、流石に水だけでは生きていけないので多少の食糧を与えられているだろうという勝手な想像です。


荒野を彷徨った果てに辿り着いたこの地で、奴隷のように扱われながらも、あてもなく再び荒野を彷徨うよりはマシな生活を選んだ人々が彼らなのだと思う。


中には体の不自由な人たちも見受けられ、屈辱的な選択も止む無しといったところか。


意外に(?)深い人間ドラマ


彼らそれぞれの、逃げる理由、追う理由、戦う理由が分かったら、後はひたすら続く追いかけっことアクションを楽しむだけ。


とは言え、実はその裏には数々の人間ドラマが隠されている。


最初はお互いに牽制していたマックスとフュリオサが徐々に信頼関係を築き、絶妙な連携プレーを見せるまでに至る過程や、ニュークスに訪れる心の変化など、ドラマとしての見所も盛り沢山。


クライマックスの「追いかけっこ」も、驚きの仕掛けの連続で興奮しっぱなしだが、色々な伏線の回収もあるので油断できない。


個人的には、マックスが『七人の侍』の久蔵よろしく霧の中を敵陣に乗り込み、大量に武器を奪って帰ってくるシーンとか、すごい好き。


他にも、マックスとフュリオサの対決シーンや、イモータンに銀スプレーを吹き掛けられたニュークスの表情とか、お気に入りのシーンを上げたらキリがない。


「あのシーンだけ」とか言いながら、結局今日も丸々本編を観てしまうのだった。


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シリーズのファンなら気になる、『マッドマックス2』で大破したはずの「V8インターセプター」に、再びマックスが乗っている理由も明かされています。


まとめ


大好きな映画、大好きなシリーズです。


今回を機に、新たなファンが増えることを願います。


製作順に観なくても楽しめるシリーズなので、本作でファンになった方が過去作に遡るのもアリだと思います。


そしてみんなで新作が1日も早く完成することを願いましょう。


今度は27年も待てないよ。


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  • 発売日: 2015/09/01
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