『TENET テネット』〜 難解なのに面白いのか?難解だから面白いのか?

(Tenet 2020年 アメリカ)
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”Don't think! Feel.”(考えるな!感じろ。)と仰ったのは、彼のブルース・リー師。


本作の序盤でも” Don't try to understand it. Feel it.”(理解しようとしないで。感じて)というセリフが出てくるが、色々考えて理解しようとせずに感じる事が、本作の正しい楽しみ方なのかも知れない。



本作を理解し難くしているのも「時間の逆行」ならば、面白くしているのも又「時間の逆行」という要素。


時間の流れを「順行」している人物と「逆行」している人物が格闘したり、「順行」している車と「逆行」している車のチェイスシーンなどは、今までに見た事ない、間違いなくフレッシュな映像になっているが、そこで何が起こっているのかを理解しようとすると頭がこんがらがってしまい、物語についていけなくなってしまう。


なので、わたし的には、1回目の鑑賞から全てを理解しようとするのではなく、まずは『TENET』の世界を楽しんでみて、理解を深めるのは2回目以降にするという鑑賞方法。


正直に言うと、わたしも劇場公開時に一度観ただけでは感想がまとめられず、今回WOWOWで放送されたタイミングでの投稿になったわけだが、しかも録画した上で、ちょいちょい巻き戻しながらの再鑑賞。


それでもまだ分からないことだらけ。


でも間違いなく言えることは、この映画が私にとって「非常に面白くて、大好きな1本」であると言うこと。



これから本作を観ようという方たちは、今ではネット上に色々な方の解説や考察が溢れているので、それらを読んで予備知識を詰め込んでから鑑賞するという方法も選択できるが、個人的には最初は出来るだけ情報を入れていない状態で観ていただきたい。


それでも充分楽しめる程、本作の核となるストーリーは実はシンプルなものとなっている。


悪いことを企てている奴がいて、それを阻止しようとする主人公とその相棒。


焦点をそこに絞ってしまえば、難しいことを考えなくても楽しめる「SFアクション映画」なのだが、そこに「時間」という要素が加わる事で本作をより面白く、難解に、そして「新しい」ものにしていると思う。


更に重要なスパイスとして加えられているのが、主人公と相棒の「友情」の物語。


これは熱い!


詳しくは言えないが、ちょっと『ターミネーター』的。


諸説ありますが。




兎に角、「何が起こっているのか?」を考えながら観るのではなく、彼らが「何をしているのか?」「何をしようとしているのか?」を直感的に感じながら観ることが、一番この作品を楽しめると思います。


逆に言えば、頭の中をパンパンにしてから観ても楽しめないのではないだろうか?


映画の楽しみ方は人それぞれなので自由に観ていただければ良いのだが、「難解だ。難解だ。」と言われすぎて敬遠している人たちにも是非本作を観ていただく、この記事をUPしてみました。




TENET テネット(字幕版)

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  • ジョン・デイビッド・ワシントン
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