1969年の名作『明日に向かって撃て!』で共演したポール・ニューマン、ロバート・レッドフォードが再共演し、同じくジョージ・ロイ・ヒルが監督した信用詐欺を題材にしたコメディ。
第46回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、衣裳デザイン賞、音楽賞の7部門受賞。
あらすじ
そうとは知らずにギャングの大物ロネガンへ納めるべきお金を騙し取ってしまった詐欺師のフッカーと、その師匠ルーサー。
それを知ったロネガンは、見せしめの為に二人を殺すよう手下を差し向ける。
ルーサーが殺され復讐を誓うフッカーは、ルーサーから聞かされていたシカゴの大物詐欺師ゴンドーフに協力を求める。
感想
わたしにとって「完璧」だと思う映画の一本。
主人公たちは詐欺師なので犯罪者ではあるのだが、師匠が殺されたことに対する復讐が「相手も殺す」ではなく、大金を騙し取るという平和的(?)な方法なのが最高。
ドンパチ映画も好きだけど、人が死なないに越したことはない。
オープニングで流れる名曲『ジ・エンターテイナー』から、もうワクワクのしっぱなし。
ルーサーが殺されたり、フッカー自身も命を狙われたりとサスペンス要素はあるものの、基本的には主人公たちが如何にしてギャングの親分を騙すかを楽しむ話。
今年で最後の開催となる「午前十時の映画祭」にて鑑賞。
奥様を映画館に誘い出す際に「どんな映画なの?」と聞かれたので「アメリカ版の『コンフィデンスマンJP』みたいな映画だよ」と説明したんですが、本作を知らない人にはこれが一番分かりやすいらしい。
もっとも、『コンフィデンスマンJP』を知らないと話にならないですが。
大金を騙し取る為に「子猫ちゃんたち」(詐欺師仲間)を集め、多少費用が掛かってもリアルで大掛かりなセットを用意し、不意に起こる不測の事態にも対応して危機を乗り越えていく。
そして最後に待っているのは、この上ない爽快感。
手に入れたお金はみんなで山分け。
欲しいのは、大金よりも達成感。
こうやって書くと、大まかな作りとしては一緒ですね。
何十年たっても、楽しめる題材ということでしょう。
題材云々以前に、『スティング』という作品事態が色褪せてない所が凄いな。
今回、十年以上ぶりの再鑑賞だったので、わりと新鮮に楽しめました。
列車の中のポーカー勝負でのイカサマ合戦とか、何度見てもドキドキします。
ポール・ニューマンの酔ったふり演技とか、他の人にカードを見られないように自分のカードを覗く仕草とか最高。
若きロバート・レッドフォードも、本当にカッコイイ。
ハンチングの後ろをクイッと上げて目を隠すやり方は真似したくなるが、絶対似合わないのでやりません。
今の俳優で、この雰囲気の出せる人はいないんじゃないかなぁ。
ブラット・ピットは見た目が似てて、作品によってはロバート・レッドフォードの役をそのまま出来ると思うんだけど、『明日に向かって撃て!』のサンダンス・キッドとか、フッカーの役はちょっとブラピは違う気がします。
個人的な思い入れかもしれませんが。
その証拠に、ウチの奥様は「ブラピそっくり、ブラピでも行けんじゃない?」と仰ってました。
仕草といえば、登場する詐欺師たちが合図に使っている、自分の鼻を人差し指で弾くアレ。
この映画をわたしに教えてくれた友人と二人だけの間で一時流行って、しばらく挨拶代わりにやってたのを思い出しました。
わたしも若かった。
こんな人にオススメ
本文にも書いた通り、『コンフィデンスマンJP』みたいな映画です。
あのドラマにハマった人なら、絶対楽しめます。
そうでない人も、まだ観ていないのなら観ておいて損のない、歴史に残る(残ってる)傑作です。
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