スッキリ爽快

『隠し砦の三悪人』〜 実際は二百姓と一武将

(1958年 日本) もしかしたら、黒澤明作品の中で一番好きかも知れない。 もちろん『七人の侍』も、『用心棒』も、『生きる』も、『天国と地獄』も、なんだったら『羅生門』も大好きなんだけど、やはり本作を鑑賞した後の爽快感に勝るものはない。 そして、…

『無垢なる証人』〜 この弁護士、弁護士に向かないのでは?

(증인 INNOCENT WITNESS 2019年 韓国) 弁護士とは大変な仕事である。 自分が信じる正義とは関係なく、依頼人を守るために全力で弁護をしなければならない。 本作を観て、一番最初に浮かんだ印象はそんな事だった。 そう言えば『リーガルハイ』の古美門先生…

『ボヘミアン・ラプソディ』〜 最高なバンドの最高な映画

(Bohemian Rhapsody 2018年 イギリス・アメリカ) 9月5日はフレディ・マーキュリーの誕生日。という訳で、『ボヘミアン・ラプソディ』。 ラミ・マレック、 グウィリム・リー、 ベン・ハーディ、 ジョゼフ・マゼロの4人が見事にクイーンを再現。監督はブラ…

『デッドフォール』〜 外連味たっぷりの”the 映画”

(Tango & Cash 1989年 アメリカ) 『ロッキー』、『ランボー』シリーズのシルベスター・スタローンと、『ニューヨーク1997』、『遊星からの物体X』、『ゴーストハンターズ』のカート・ラッセルの二大スター共演によるコメディ・アクション。監督は『暴…

『いちごの唄』〜 だいじょばないけど大丈夫!

(2019年 日本) NHK朝ドラ『ひよっこ』の脚本を手掛けた岡田惠和が、同作にも出演したロックバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸と共著という形で発表した同名小説を、同じく『ひよっこ』にも出演していた古舘佑太郎、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』、…

『悪いことしましョ!』〜 誰もが特別なオンリー・ワン

(Bedazzled 2000年 アメリカ) 1967年のイギリス映画『悪いことしましョ!』(Bedazzled)のリメイク。監督は、『恋はデジャ・ブ』の監督・脚本、『ゴーストバスターズ』シリーズでは脚本を手がけ出演もしていたハロルド・ライミス。出演は『ハムナプトラ』…

『グリーンブック』〜 絶対に曲げられない信念が、そこにはある

(Green Book 2018年 アメリカ) ジャマイカ系アメリカ人のピアニスト、ドクター”ドン”シャーリーと、彼の運転手であるイタリア系アメリカ人トニー・ヴァレロンガが1962年にアメリカ南部を回ったコンサート・ツアーを元に映画化。トニーを演じるのは『ロード…

『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』〜 人生はドラマティック

(The Big Sick 2017年 アメリカ) 『40歳の童貞男』などのジャド・アパトー監督が、パキスタン出身のコメディアン、クメイル・ナンジアニと妻エミリーの実体験を聞き製作したロマンティック・コメディ。クメイル、エミリー夫妻自らが脚本をし、クメイルは本…

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』〜 ダークなゴッサム・シティを極彩色に染め上げる

(Birds of Prey (and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn) 2020年 アメリカ PG12) 2016年の『スーサイド・スクワッド』に於いて、唯一と言っても良い輝きを放っていたハーレイ・クイン。そんなハーレイを主人公に、女性スーパーヒーロー・…

『デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜』〜「イライラ」と「ゲラゲラ」は紙一重

(Due Date 2010年 アメリカ) 『ジョーカー』が世界的に評価され、今や名監督の仲間入りを果たしたトッド・フィリップスが、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い 』の後、『アイアンマン』『シャーロック・ホームズ』の成功により華々しく…

『スノー・ロワイヤル』〜 笑っていいのか迷いながらも笑っちゃうw

(Cold Pursuit 2019年 アメリカ PG12) 2014年のノルウェー映画『ファイティング・ダディ 怒りの除雪車』をリーアム・ニーソン主演でリメイク。監督はオリジナル版と同じくハンス・ペテル・モランドが務めた。共演に『オペラ座の怪人』『ポセイドン』のエミ…

『十二人の死にたい子どもたち』〜 君たちには無限の可能性がある

(2019年 日本) 2016年発売の冲方丁の同名小説を、『金田一少年の事件簿』、『TRICK』、『SPEC』シリーズの堤幸彦監督により映画化。出演は、杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈など。 あらすじ 感想 こんな人にオススメ こちらも…

『七つの会議』〜 会議は、ほとんど開かれず

(2019年 日本) 『半沢直樹』、『下町ロケット』、『陸王』、『ノーサイド・ゲーム』とTVドラマでもヒットを飛ばし続ける池井戸潤のビジネス小説を、野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、藤森慎吾、世良公則、鹿賀丈史、橋爪功、北大路欣…

『マスカレード・ホテル』〜 本筋の要素を抜いても群像劇として面白い

(2019年 日本) 原作は東野圭吾の同名小説で、「マスカレード」シリーズの第1作。出演はは木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世、石川恋、泉澤祐希、前田敦子、笹野高史、髙嶋政宏、菜々緒、生瀬勝久、宇梶剛士、勝地涼、松たか子、鶴見辰吾、石橋凌、渡部篤…

『駅馬車』〜 ジョン・ウェインの出世作にして代表作

(Stagecoach 1939年 アメリカ) 監督ジョン・フォード、主演ジョン・ウェインの初コンビ作。デビューから10年、不遇の時代を過ごしたジョン・ウェインも本作での演技が認められ、以降ジョン・フォード監督と共に『アパッチ砦』、『黄色いリボン』、『静か…

『蜘蛛の巣を払う女』〜 キャラクターは見た目が9割

(The Girl in the Spider's Web 2018年 アメリカ・スウェーデン・ドイツ PG12) スウェーデンの小説『ミレニアム』シリーズ第4弾『The Girl in the Spider's Web』の映画化。 オリジナル三部作の作者スティーグ・ラーソンはすでに亡くなっているので、著者…

『きっと、うまくいく』〜 魔法の言葉 "All Is Well"

(3 Idiots 2009年 インド) 公開当時、インドの歴代興行収入1位を記録した青春コメディ。 邦題は、本作の主人公ランチョーがモットーとする「All Is Well(うまーくいーく)」から。 したまちコメディ映画祭で上映された際は、原題の『3 Idiots』より『3バ…

『デス・ウィッシュ』〜 ただの「リメイク」ではない、違った味わい

(Death Wish 2018年 アメリカ R15+) 1974年にチャールズ・ブロンソン主演で制作された『狼よさらば』のリメイク。 脚本は『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい 』『特攻野郎Aチーム THE MOVIE 』『THE GREY 凍える太陽』などのジョー・カーナハン。当初…

『フレンチ・コネクション2』〜 前作の消化不良を解消!

(French Connection II 1975年 アメリカ) 前作と直接的な話の繋がりを持つ続編であるが、今作は実話ベースではなく完全なフィクション。 主役のポパイ刑事を演じるのは、もちろん、前作に引き続きジーン・ハックマン。 麻薬シンジゲートを牛耳るフランス人…

『ダンス ウィズ ミー』〜 最高にハッピーな映画 

『ダンス ウィズ ミー』が公開されたので、早速観てきました。 感じたことを色々書かせていただきます。

『ハッピーフライト』〜 頑張る裏方さん達の群像コメディ

(2008年 日本) 『ダンスウィズミー』公開直前ということで、矢口史靖監督の過去作を振り返り。 同じく矢口監督の『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』については、こちら↓をご覧下さい。 www.kashi-yan.com この作品は群像劇です。登場人物がたくさんいます…

『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』〜 山で食べるご飯は最高です!

(2014年 日本) 大学受験にも失敗し、彼女にも振られた平野勇気(染谷将太)は、進路が決まらないまま高校の卒業式を迎える。 そんな時、偶然目にしたパンフレットの表紙に写る美女(長澤まさみ)に釣られて、1年間の林業研修プログラムに参加することを決…

『カンサス・シティの爆弾娘』〜 町山さんの「良く分かる解説」

(Kansas City Bomber 1972年 アメリカ) 1年程前から、CSの洋画専門チャンネル ザ・シネマにおいて「町山智浩のVIDEO SHOP UFO」という番組がやっている。 毎月1本づつ(最初は確か6本まとめて)掘り出し物の映画をチョイスして、映画本編放送の前と後に…

『SUNNY 強い気持ち・強い愛』〜 それぞれ違って、それぞれ良い

(2018年 日本) 奈美が入院中の母を見舞いに行くと、ある病室に「芹香」という見覚えのある名前が、それは90年代に青春を共にした仲良しグループ「SUNNY」のメンバーの名前だった。 20年ぶりの再会を喜んだのも束の間、芹香は癌で余命1ヶ月の宣告を受…

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』〜 人は見た目?

(Battle of the Sexes 2017年 米・英) 想像もしたこともないような斬新な物語で驚かせくれるのも映画ならば、今まで全く知らなかった衝撃の事実を教えてくれるのも映画の面白いところだと思います。まだ男性優位の風潮が色濃い’73年、男女それぞれの力を…

『クレイジー・リッチ!』〜 相手の気持ちになって考えよう

(Crazy Rich Asians 2018年 アメリカ) 主要登場人物がアジア系の俳優ばかりとうことでも話題になった作品。 2013年に発表された小説『クレイジー・リッチ・アジアンズ』を原作に、『G.I.ジョー バック2リベンジ』『グランド・イリュージョン 見破られたト…

『ブレックファスト・クラブ』〜 駆けずりまわる青春

(The Breakfast Club 1985年 アメリカ) ブラット・パックと呼ばれた、80年代の若手俳優たち。 その代表ともいえるエミリオ・エステベス、アンソニー・マイケル・ホール、ジャド・ネルソン、モリー・リングウォルド、アリー・シーディが共演した青春映画…