(Sicario: Day of the Soldado 2018年 アメリカ PG12)
アカデミー賞で3部門にノミネートされた2015年の『ボーダーライン』の新章。
メイン・キャストのベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンが引き続き出演。
脚本も『ウィンド・リバー』のテイラー・シェリダンが、前作から引き続き担当。
監督は、ドゥニ・ヴィルヌーヴからイタリア出身のステファノ・ソリマに交代。
あらすじ
アメリカ国内で自爆テロが発生、麻薬カルテルが犯人を不法入国させたと見たアメリカ政府は、CIAのマット・グレイヴァーにカルテルの壊滅を命じる。
カルテルのトップを殺しても何も変わらないと考えたマットは、カルテル同士を争わせ混乱に陥れる為に、かつてカルテルに家族を殺された元検事の殺し屋アレハンドロに協力を依頼する。
感想
前作『ボーダーライン』の続編というよりも、スピンオフという位置付けらしい。
とは言え、やはりどうしても前作と比較してしまう。
メイン・キャスト二人と脚本は一緒だが、監督と主演のエミリー・ブラントがいなくなり雰囲気が変わってしまい、完全に別物の映画になってました。
『ボーダーライン』という邦題も、前作では国境の意味の「ボーダー」とか、善と悪の「ボーダー」とか、合法と非合法の「ボーダー」とか色々な意味があって、原題の「Sicario(殺し屋)」よりも良い邦題だと思ったんですが、本作では、いっそ邦題も原題に近いものに変えてしまっても良かったのではないでしょうか?
それでは、前作のヒットにあやかれないか・・・。
雰囲気は変わってしまったが、アメリカ政府と麻薬カルテルの戦いを描く物語の面白さはそのまま。
今回は、カルテル同士の潰し合いを誘発する為に、カルテルのリーダーの娘を誘拐して救出劇を偽装したり、そこにカルテルに支配されてるメキシコ警察が絡んで来たり、カルテルの仕事に誘われてる少年の話が絡んで来たりと、ちょっと話が複雑になった気もしましたが、その分スリリングな展開も増えていた様に感じました。
前作でもそうでしたが、ベニチオ・デル・トロもジョシュ・ブローリンも、とても善人には見えなくて、それが前作の場合はエミリー・ブラントを挟んで誰が敵で、誰が味方か分からなくなり、観客も彼女と一緒に知らないところで何が起こってるのか分からない不安に襲われるという効果を生んでいた様に思うのだが、今回の場合はどうなのだろうか?
ふたりとも、目的達成の為には手段を選ばないと言う意味では完全な善人ではないので、キャラとしては合っている。
しかも、この「とても善人には見えないのに」ってのが本作のキモになっており、物語の後半で効果を生んでくる。
そう来たかぁ、って感じ。
そして、今作も最後には不思議な余韻の残る映画でした。
こんな人にオススメ
全体的な雰囲気は違っちゃってますが、前作が好きな方ならばそれなりに楽しめると思います。
前作を知らない人でも、独立した映画として見られるので大丈夫です。
順番を逆に観ても問題ないでしょう。
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