1977年発売のクレイグ・トーマスの小説『ファイアフォックス』を原作とし、クリント・イーストウッドが制作・監督・主演。
『スター・ウォーズ』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞したジョン・ダイクストラが特撮を担当した。
あらすじ
東西冷戦時代。ソ連が高性能の新型戦闘機「MiG-31 ファイヤーフォックス」を開発した。
NATO側はこの戦闘機を奪取する為、ベトナム戦争でも活躍した元米軍パイロット、ミッチェル・ガントを招集する。
感想
子供の頃以來の鑑賞でしたが、東西冷戦下という時代背景以外にも、ちょっと古さを感じてしまいました。
しかしながら、「思い出補正」の効果もあってか、わたしにとっては今でもワクワク出来る映画である事に間違いはありません。
この映画は、前半と後半で違う映画を観ているような面白さを味わえる。
前半は、潜入スパイ・サスペンスの緊張感、後半では(架空の)最新鋭戦闘機による空中戦の爽快感といった具合。
前半の舞台はソ連。
当然、当時のアメリカ映画がソ連国内でロケを出来るはずもなく、ウィーンの街にソ連の旗をぶら下げたりして、それっぽくして撮影したらしい。
その粗が出ないようにする為だったのかどうかは分かりませんが、夜のシーンや地下鉄の駅のシーンなど、比較的暗い場面が多く感じました。
だがむしろ、この事が潜入サスペンスの緊迫感を高めるには功を奏してたのではないでしょうか。
そして後半では、ファイヤーフォックスの強奪と空中戦が描かれるわけですが、実際に作られたファイヤーフォックス機の実物大セット、これが出た瞬間にわたしのワクワク値は急上昇してしまうわけです。
もちろん実際に飛行する事は出来ませんが、自走することは出来ます。
格納庫から悠々と動きだす勇姿に、わたしのワクワクも最高潮です。
クライマックスは、追ってきた二号機とファイヤーフォックス同士のドッグ・ファイト。
今観ると合成がもろバレですが、スピード感があり手に汗握る展開です。
岩壁と岩壁の谷間での追いかけっこは、『スター・ウォーズ』のデス・スターでのクライマックス・シーンを想起させますが、撮ってる人が同じジョン・ダイクストラなので仕方がないのか?
本作のわずか数年後に、あの『トップ・ガン』が制作され、本物の空中戦のド迫力に驚愕させられるわけだが、ファイヤーフォックスは実在しないわけだし、技術的にも当時はこれが精一杯だったという事で、優しい目で見守りましょう。
この作品では、当時アメリカで問題になっていたベトナム帰還兵のPTSDにもちょっと触れていて、主人公のガントも何度か当時の記憶がフラッシュバックしたりするシーンがあるのだが、その事をあまり掘り下げておらず、殆ど物語に絡んでいなかったのが、ちょっと残念に感じました。
そこをもうちょっと掘り下げれば、物語にも主人公のキャラクターにも深みが増したのではないでしょうか?
残念ついでに、もう一つ。
本作は当時、クリント・イーストウッド作品としては最高の興行成績を収めたらしいのだが、空撮シーンなどで予想以上に制作費がかさんでしまい、あまり利益は出なかったのだとか。合掌。
こんな人にオススメ
『007』シリーズのようなスパイ・アクションの好きな方、『ステルス』などのスカイ・アクションの好きな方には楽しんでいただける映画だと思います。
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