(The Untouchables 1987年 アメリカ PG-12)
「午前十時の映画祭」が再開されたからと言うわけでもないのですが、本ブログも久々の復活。
そして取り上げる映画は、『ダイヤモンドは永遠に』でジェームズ・ボンド役を卒業して以降ヒット作に恵まれなかったショーン・コネリーが、アカデミー助演男優賞を受賞し、華麗な復活を成し遂げたとも言える『アンタッチャブル』。
個人的に、『ハイランダー 悪魔の戦士』(1986年)、『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)、そして『アンタッチャブル』を勝手に「ショーン・コネリーのメンター三部作」と呼んでおり、わたしはこの3本が大好きなのであります。
ちなみに「メンター」とは「優れた指導者」のことで、例えば『ロッキー』に於けるミッキー、はたまた『クリード』のロッキー、『ベスト・キッド』のミヤギさん、『スター・ウォーズ』のオビ・ワン・ケノビーやヨーダが主人公を導くメンターに当たり、意外と面白い映画には欠かせない存在なのである。
歴代最高のジェームズ・ボンドはショーン・コネリーで、ショーン・コネリーの1番のはまり役はジェームズ・ボンドだと信じて疑わないわたしは、彼が12年ぶりにボンドとして復活した1983年のシリーズ番外編『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』も大好きなんですが、彼が脇役に徹していながら主役を喰うほどの活躍とインパクトを残す上記3作品を、敢えてショーン・コネリーの代表作と呼ばせていただきたい。
そんなわたしは、公開当時、ほぼショーン・コネリー目当てで本作を観に行き、もちろんその圧倒的存在感に大満足するわけですが、その陰でひっそりと(?)わたしの中で株を上げたのがアンディ・ガルシア。
特に、ユニオン駅の大階段で左手で乳母車を支えながら右手で銃を構えるシーンは↓↓↓、その登場のタイミングも相まってテンション爆あがりなのです。
アンディ・ガルシアは、1989年の『ブラックレイン』でさらに株を上げるのですが、1990年の『ゴッドファーザー PART III』以降はギャング役や悪役ばかり増えてしまい、なんかいつも同じ感じになってしまいちょっと残念・・・。
まあ、それはそれで彼に合ってはいるんですけど。
それはさておき、『アンタッチャブル』の話。
実話をエリオット・ネス本人がドラマチックに仕上げた原作を、さらにドラマチックに脚色した本作。
実録モノにありがちな、実話を元にしながらも非常に「映画的」な展開を繰り広げます。
でも、史実を知りたければ色々な文献を調べて貰えば良いわけだし、時間がなくて倍速でスマホ視聴するような若者にはネットでネタバレあらすじを探して読んでもらった方が早いと思います。
やはり映画を観るなら映画館。
わたしが本作を映画館で観たのは、1987年の公開時以来。
その間、VHSやDVDで何度か鑑賞しておりましたが、30数年ぶりにスクリーンで鑑賞し、その映像の美しさに改めて驚かされました。
CGを使わずに再現された30年代のシカゴの街もさることながら、ブライアン・デ・パルマ監督のこだわりの画作りも見もの。
デ・パルマ特有の俯瞰映像、横顔ドアップ越しの画や、下から見上げる様なカットなど、まさに映像も楽しめる映画。
アンタッチャブルズの4人が、ショットガンを携え警察署の前の通りを渡るシーンや、カナダとの国境付近で行われている密造酒の取引現場に、西部劇よろしく馬を駆って向かうシーンは鳥肌モノである。
出来れば大スクリーン、せめてテレビ画面で観てもらいたい作品。
小さい画面じゃ、本作の本当の魅力は伝わらない。
それは、全ての映画に言えることですが。