yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『ミッション:インポッシブル3』〜 ある意味でリブート作品。

(Mission: Impossible III 2006年 アメリカ)

第1作ではブライアン・デ・パルマ、第2作ではジョン・ウーを監督に起用したプロデューサーのトム・クルーズが第3作の監督として白羽の矢を立てたのは、当時TVスパイアクション『エイリアス』を手掛けていたJ・J・エイブラムス(以下J・J)。

J・Jの監督就任の経緯としては、トム・クルーズが『エイリアス』の大ファンだったとも、J・J自ら『エイリアス』のDVDを持って売り込みに行ったとも言われており、wikipediaの情報は呑みに出来ないなと思いました。


本作が長編映画初監督となったJ・J は、当時TVシリーズ『LOST』が世界中でヒットしていたこともあり「TVの人」のイメージが強かったが、実は『フォーエバー・ヤング』(1992)や『ザ・サバーバンズ』(1999)、『ロードキラー』(2001)、さらには『アルマゲドン』(1998)など、わたしの好きな作品に製作や脚本として名を連ねていることを後から知って驚きました。

そんなJ・Jが手掛けた『ミッション:インポッシブル』シリーズ第3弾は、まさに原点回帰!

序盤の「スパイ・チーム感」が次第に薄れて行き、いかにもデ・パルマ監督っぽいサスペンス映画的展開になっていく第1作、全編ジョン・ウー節全開でトム・クルーズ版「ジェームス・ボンド」な雰囲気も漂う第2作とは打って変わって、第3作はオリジナル版『スパイ大作戦』の様な「チーム感」満載のストーリーになっております。

監督とカラーが濃過ぎるぐらいに出まくった前2作から方向転換し「スパイ・チーム」の映画として新たなスタートを切った本作は、以降のシリーズの方向性を決定づけたとも言える、言わばリブート的な作品になっている気がします。

本作の3年後には『スター・トレック』のリブート版を監督し、さらに2015年には『スター・ウォーズ』の新シリーズを大成功に導いたJ・Jは、わたしの中では「リブートの神様」「再起動請負人」のイメージになってしまいました。

それはさておき、世界中を飛び回りながらチームのサポートを受けつつトム・クルーズ=イーサン・ハントが無茶を繰り返す映画として生まれ変わった『ミッション:インポッシブル』。

今回イーサンとイタリアでや中国で活躍を繰り広げるチーム・メンバーは、唯一のレギュラーであるルーサー役のヴィング・レイムスに加え、『ベルベット・ゴールドマイン』『シビル・ガン 楽園をください』のイケメン俳優ジョナサン・リース=マイヤーズと、スーパー・モデル出身のアジアン・ビュティー、マギー・Qが参戦。

マギー・Qは本作と翌年の『ダイ・ハード4.0』で一気にスターになりましたね。

そして忘れちゃいけないのが本作から新たにレギュラーとしてシリーズに加わったサイモン・ペッグ演じるベンジー・ダン。

イーサンと一緒に現場で行動をすることはないが、スパイ組織「IMF」本部からイーサンを支える重要な役。

どこかトボけたキャラで、ずっと緊張感が続く様な展開のなか、ベンジーが登場するとちょっと安心するというかちょっと緊張が和らぐという意味でも、この映画の中で彼の存在は重要な気がします。

逆に、画面に映るだけで緊張感が走る顔面力を持つ俳優、フィリップ・シーモア・ホフマンが敵役で登場します。

開始早々、フィリップ・シーモア・ホフマン演じるデイヴィアンに捕えられているイーサン・ハント。

共に捕えられている女性に銃を突きつけ「ラビット・フット」を渡せとイーサンに迫るデイヴィアン。

何が起きているのか分からないまま鳴り響く銃声と共にオープニングに突入し、いつものテーマ曲と導火線の映像。

冒頭の緊迫感から一転、オープニングの後はほのぼのとしたホーム・パーティーのシーンへ。

現場から退き指導教官となったイーサンは婚約者ジュリアとの結婚を控えており、どうやら彼女の周りの人へイーサンを紹介するパーティーらしい。

流石にスパイ業のことは秘密とし、「交通局」で働いていることになっている。

そんなイーサンの元へ、教え子であるリンジーがブラック・マーケットの商人デイヴィアンに捕えられたとの知らせが。

一度は現場復帰を躊躇うイーサンであったが、教え子を救うために危険な任務に挑む決意をする。

ここからはもう見せ場の連続!

まさに全編クライマックス!


まず第一の見せ場はもちろん「エージェント・リンジー救出作戦」

ここで前出のチームが集結、4人でリンジー救出に向かいます。

潜入、救出、銃撃戦、そしてイーサン&リンジーの師弟コンビによる息のあったガン・プレーと見どころ満載。

なんとか脱出してからも風力発電のプロペラが乱立する中でのヘリコプターのチェイスが大迫力で展開し、観てるこっちは既にお腹いっぱい状態なのだが実はまだ映画が始まって30分も経ってません。


続いての見せ場は「デイヴィアン捕獲作戦」

イーサン以下チームのメンバー達は、死の商人デイヴィアンを捕えるためにバチカンへと飛ぶ。

ここでもメンバーそれぞれがそれぞれの役割を果たしつつ、華麗な連携プレーで作戦を進めていく。

チームでの任務遂行に重点を置くスタイルに新しく生まれ変わった本作であるが、変わってないのは変装担当がイーサンであること。

こういう、お約束はちゃんと踏襲しているところも好き。

作戦の内容は、デイヴィアンに変装したイーサンと本物のデイヴィアンと入れ替わり連れ去るというもの。

ここでの間に合うの?間に合わないの?、見つかるの?見つからないの?、気付かれるの?気付かれないの?って演出が最高にハラハラさせられる。


さらに見せ場は続き、次なる見せ場は「謎の武装集団による襲撃」

捕えたデイヴィアンを移送中のイーサン達の車両が海の上を渡る長い橋を走行中、突然、次々と飛んでくるミサイルに橋の上は大パニック。

吹っ飛ばされた車の中から這い出し呆然としているイーサンの背後に黒づくめの武装集団が乗ったヘリが浮上して来て、すぐに襲って来るのかと思いきや、ちょっと間を置いてから銃を乱射して来る。

このシーンの一瞬の間が、敵ながらゾクゾクするほどカッコ良くてメッチャ好き。

ヘリに乗った一団は、デイヴィアンを乗せた護送車に向かうと、アッという間に助け出してしまう。

イーサンは苦労して捕えたデイヴィアンをあっさり奪い返された挙句、病院で働く恋人のジュリアまで人質に取られてしまうのだった。

他の映画だったらクライマックスになってそうな派手な戦闘シーンを終えても、まだまだ映画は中盤。

人質を盾に「48時間以内にラビットフットを持って来い」と言ってくるデイヴィアンの要求にイーサンは逆らえるはずもなく、「ラビットフット」を手に入れるべくイーサン達は上海へ!


続いての見せ場はもちろん「ラビットフット入手作戦」

ここでイーサンは、警備厳重なビルに侵入する為に隣のビルから振り子状態で飛び移るという作戦に打って出る。

侵入不可能かと思われる建物に、毎回新たなアイデアと「無茶」で潜入するのも本シリーズの恒例となっております。


なんとか「ラビットフット」を手に入れたイーサンはデイヴィアンと取引するため指定された場所へと向かうのだが、そこに現れたデイヴィアンの手下に渡された薬を飲み眠りに落ちてしまう。

目を覚ましたイーサンの前には、デイヴィアンと拘束されたジュリアの姿が・・・。

ここで映画冒頭のシーンにつながるわけだ。

そして物語は、意外な真相を明かしつつ怒涛のクライマックスへ!

本部からベンジーのサポートを受けつつ、イーサンはジュリアの救出そしてデイヴィアンとの触接対決へ向かう。


チームとしての活動をメインにしつつ、イーサンが不可能と思われる「無茶」に挑むスパイ・アクションとして生まれ変わった『ミッション:インポッシブル』。

本作が以降のシリーズの流れを作ったと行っても過言ではないでしょう。

そう言えば、イーサンが全力疾走で走り回るシーンが登場するのも本作からのような気がする。



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