(The Postman Always Rings Twice 1981年 アメリカ)
1934年に出版され、過激な性描写で話題になった同名小説を原作にした、4度目の映画化作品。
主演は、名優ジャック・ニコルソンとジェシカ・ラング。
あらすじ
流れ者のフランクは立ち寄ったダイナーで、店主の妻コーラに一目で惹かれる。
フランクは店主のニックにうまいこと取り入り、ガソリンスタンドを兼ねたこのダイナーで、機械工として住み込みで働くことに。
年の離れた夫との生活に嫌気がさしていたコーラは、強引なフランクにあっさりと身を任せ、やがて二人は邪魔になったニックを殺害しようとする。
感想
今回は、しかたなく多少のネタバレがあります。
過去に映画化された時代より映画における性描写の規制が緩くなっていた為、「そこばかりクローズ・アップしたお粗末な映画」と聞いていたのが、普通に面白い映画でした。
ただし、鑑賞するにあたって知っておいた方が良いと、個人的に思ってることがあるので、その辺をちょっと書いていこうと思います。
「ホントに勧めてんの?」と思われるところがあるかもしれませんが、最後までお付き合いください。
まず第一に、「郵便配達は出てきません」
これには、わたしもビックリしました。
絶対に郵便屋さんが出てきて、物語に絡んでくると思って観てたんで、「あれっ?終わっちゃった」ってなっちゃいました。
なので、これからご覧になる人は、郵便配達が出ない事を知った上で観た方が良いと思います。
じゃあなんでこんなタイトルにしたのかって事を、ネットでちょっと調べてみまして、皆さんの見解を色々と読んだんですが、納得できるものはありませんでした。
ちなみに、その昔アメリカでは「来客じゃないですよ。郵便です。」と知らせる為にベルを二回鳴らしたらしいです。
そのことと、物語中に重要な出来事が2回づつ起きることを掛けてるらしいんですが、なんか釈然としません。
第二に、「前半と後半でジャンルが変わります」
前半は、妻と不倫相手が完全犯罪で夫を殺害しようとするサスペンス。
後半は、そんな二人の大人のラブストーリー。
前半の事件が、後半のストーリーに絡んで来て意外な展開に・・・なりません。
もちろん、多少のつながりと、驚きは用意されてますが、ちょっと思ったのと違います。
以上の点を踏まえた上で、色々考え過ぎず、ジャンルに捉われる事なく観る事ができれば、ジャック・ニコルソンとジェシカ・ラングの演技を楽しむ事ができるでしょう。
二人とも、安定感のある演技です。
個人的には、前半の雰囲気が好きだったので、そのまま完全犯罪サスペンスで最後までいってほしかったんですが、後半のクズ野郎とのラブストーリーも嫌いじゃないです。
裁判では無罪になった二人も、最後には大きな代償を払う、皮肉な結果に。
公開当時は話題になった性描写も、今となってはそれ程でもないのでご注意。
アメリカでは、日本で公開されたものより30分も短いバージョンが上映されたらしいが、そこまで端折ったら、それこそ面白くないような気がします。
それにしても、4度も映画化されるとは、原作はよほど面白いのだろう。
原作も気になりますが、「映画好き」としては過去3作の映画化作品を観たいところ。
どうも、ルキノ・ヴィスコンティ版(1942年 イタリア)が面白いらしい。
機会があったら、いつか是非。
こんな人にオススメ
ジャック・ニコルソンが好きな人。
ジェシカ・ラングが好きな人。
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