(3 Idiots 2009年 インド)
公開当時、インドの歴代興行収入1位を記録した青春コメディ。
邦題は、本作の主人公ランチョーがモットーとする「All Is Well(うまーくいーく)」から。
したまちコメディ映画祭で上映された際は、原題の『3 Idiots』より『3バカに乾杯!』というタイトルが付けられた。
主役のランチョーを演じるのは、主演作品でインド映画の全世界歴代興行収入記録を5度も塗り替えた人気者、アミール・カーン。
あらすじ
大学時代の優等生チャトルに呼び出された、親友同士のファルハーンとラージュー。
その日は、チャトルとランチョー、どちらが成功を収めているか勝負をすると決めた約束の日だった。
しかし、そこにランチョーの姿はなく、チャトルの情報を手がかりに3人はランチョーを探す旅に。
10年前、名門ICE工科大学で同室となった、カメラマンを夢見ながら父の希望でエンジニアの道に進むファルハーン、貧しい家庭を養うためにエンジニアを目指すラージュー、成績優秀でありながら常識はずれの言動を繰り返すランチョーの3人。
自らの信念を貫き、上級生に対しても、先生に対しても、はたまた学長に対しても自分の意志を決して曲げないランチョーは、窮地に立たされることもしばしば。
そんな時、彼は自分自身に言い聞かせる「All Is Well,All Is Well」
感想
長らく食わず嫌いをしておりましたインド映画。
その理由は、上映時間が長いことと、どんなジャンルであっても突然歌って踊り出すというイメージ。
そんなわたしを変えてくれた映画が『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』。
「インド映画面白いぞ」となったわたしの耳に、次に聞こえてきた極上インド映画のタイトルが『きっと、うまくいく』
何をきっかけで知ったかは忘れてしまいましたが、とにかく面白いらしいということなのでずっと観たかった。
念願叶って、やっと観ることが出来ました。
結果、ずっと大切にしたい映画が、また一本増えました。
上映時間171分は、ほぼ3時間。
その3時間が、あっという間に感じます。とは言いません。
3時間は3時間。短めの映画2本分。
しかし、その分の満足度が得られます。
物語は、主人公たちが大学を卒業してから10年後から始まり、大学時代を回想する形で描かれる。
時折、現在の場面が入るものの、ほとんどが大学時代の話。
たっぷり3時間かけて描くことで、観る側も主人公たちが大学で過ごす長い時間を共有することが出来る。
しかも、かなり濃密な時間を。
もちろん、歌って踊ります。インド映画なんで。
でも今作では、それほど唐突な感じもなく、違和感なく観られました。もしくは、わたしに耐性が出来てきたか?
歌って踊る楽しいコメディ映画であると同時に、教育問題や若者の自殺の問題にも切り込んでいる。
重くなりすぎず、ふざけすぎない、その辺のバランスも絶妙。
そして今作の主役、その人間的魅力で関わる人たちの人生に影響を与えて行くランチョーを演じたアミール・カーン。
本作出演当時すでに44歳だったらしいが、出演を熱望し獲得。撮影中は、肌をフレッシュにするために毎日水を4リットルも飲んだのだとか。
飲んだ量にもビックリだが、水にそんな力があることにもビックリ!それとも特殊な水?
本作の後にも『チェイス』『PK』『ダンガル きっと、つよくなる』『シークレット・スーパースター』とヒット作を量産しており、すっかりインド映画にハマったわたしは、次はどれを観ようかと目移りしておりますが、そんな彼が、実は「ボリウッドの三大カーン」の一人だということを知り、他の二人にもハマってしまったら「観る映画が何本増えるんだ?」と変な心配をしております。
こんな人にオススメ
以前のわたしのように、インド映画を食わず嫌いしている方。入門編としては最適だと思います。
コメディ映画なので、ミュージカル・シーンもそれほど違和感なく観られるのではないでしょうか。
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