(Mad Max 1979年 オーストラリア)
わたしの映画好きの始まり。
何本かある、映画を観続けるきっかけとなった作品の内の1本。
過去、VHS、DVD、Blu-Rayと買い直し、ホント何度観返したか分からない。
きっとこれからも何度も観ることでしょう。
って、書いてる側から又観たくなってきた。
映画冒頭からアドレナリン全開!
舞台は暴走族が蔓延る近未来(1979年当時から見て)のオーストラリア。
対暴走族特殊警察「M.F.P.」から改造パトカー「V8インターセプター」を奪い逃走する自称「ナイトライダー」とM.F.P.のカー・チェイスから始まる。
パトカー2台を翻弄しながら逃げ続けるナイトライダー。
主人公のマックスは、無線でのやり取りを聴きながら自分のパトカーの整備を続ける。
スーパークールな雰囲気で、絶対に「なんとかしてくれる感」がビンビン。
一方、M.F.P.の二輪担当「グース」はランチ中。
食事中に、事故で見るも無惨な姿になった犠牲者の話をするデリカシーのなさを披露しつつ、話を聞いて食欲が失せてしまった人の食事を「食べないなら貰うよ」と言ってしまうお調子者ぶりも発揮。
その時、ランチ中の店の前をナイトライダーとそれを追う2台のパトカーが通過。
食事もそこそこに、急いで捕物に合流するグース。
グースの乗るカワサキZ1000が超絶カッコ良く、全バイカーの憧れ。(個人の感想です)
しかし、ナイトライダーに追いついたとして、バイクで止めることが出来るのか?
必死の追跡虚しく、次々とクラッシュしてしまうM.F.P.の面々。
グースからの無線連絡を受け、遂に我らがマックスが参戦!
ナイトライダーを追い掛けるのかと思いきや、なんとマックスはナイトライダーの正面に現れ行く手に立ち塞がる。
ナイトライダーにチキンレースを仕掛けるマックス。
因みに、チキンレースとはお互いに正面から接近して行き、先に逃げた方がチキン(弱虫)認定されるという勝負で、『フットルース』でケビン・ベーコン達がトラクターでやっていたのもチキンレースですが、スピードは全然違います。
さて、自信満々でマックスのパトカーに向かって行くナイトライダーでしたが、衝突寸前でビビってハンドルを切ってしまう。
すっかり意気消沈してしまったナイトライダーは、文字通りマックスに後ろから突かれた挙句、ハンドル操作を誤り自爆してしまう。
ここまでの件で12分。
オープニングの「A FEW YEARS FROM NOW...(今から数年後)」の字幕以外に説明らしい説明がないのに、激ヤバの世界観と舞台設定、マックス、グースをはじめM.F.P.のメンバー達の性格までも把握出来る秀逸なオープニング。
完璧!
「あぁ、これが映画ってものなんだ」と言う事に私が気付くのは、もっと大人になってから。
ナイトライダーの一件で、彼が所属する暴走族のボスであるトーカッター(演じるのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のイモータン・ジョー役、ヒュー・キース・バーン)の恨みを買ってしまったM.F.Pは、トーカッター一味から狙われることに。
警察相手にケンカを売ってくる暴走族、コワい。
最初に狙われたのは、マックスの親友グース。
シリーズ屈指の人気を誇るキャラクターであるグースが襲撃されるこのシーン。
観ていて毎回辛くなるのだが、構成の巧さに唸らされる。
バイクに細工をされているとも知らずに、グースは愛車に跨り走り出す。
私はここからのシーンも大好き。
道路上に置かれたカメラの横を通過して行くグースのZ1000。
続いて走るZ1000に載せたカメラからの映像かと思いきや、左側から追い越していくZ1000。
カッコいい!!
からの、1段ギアを上げてスピード・アップ!
バイク好きのツボを心得た一連の描写にテンション爆上がり。
グースも私も気持ち良く疾走していると突然後輪がロックし、カーブを曲がりきれず草むらに吹っ飛んでしまう。
これは大怪我は免れないかと思いきや、起き上がり歩き出すグース。
「良かった、無事だった。」と思わせておいて、襲撃は二段構えで用意されており、この後・・・。
一旦、安心させられてからの二段階目なので、衝撃も二倍。
みんな大好きグースはここで退場。
上司の勧めで休暇を取り、妻のジェシーと幼い子を連れ旅行に出るマックスだったが、道中ジェシーが偶然遭遇した暴走族のメンバーとトラブルになったことをきっかけに、暴走族から狙われることになってしまう。
以降のシリーズでマックスがずっと孤独で、人との関わりを避けようとする理由が本作を観ると理解できる。
第2作以降のマックスは、誰かに助けを求められても快く引き受けることはない。
最終的には皆を救う英雄になるのだが、結局最後は一人になる。
それは全て、ここで愛する家族を失ってしまった事に起因する。
愛するものを失い、その後の人生がどうでも良くなってしまう心境は、なんとなく分かる気がする。
言うまでもなく、本作は復讐を遂げてエンディングを迎えるのだが、観てる側がスッキリすることはない。
それは当のマックスも一緒。
彼は、行く当てもなく、ただ車を走らせるのだった。