1967年のイギリス映画『悪いことしましョ!』(Bedazzled)のリメイク。
監督は、『恋はデジャ・ブ』の監督・脚本、『ゴーストバスターズ』シリーズでは脚本を手がけ出演もしていたハロルド・ライミス。
出演は『ハムナプトラ』シリーズ、『モンキー・ボーン』のブレンダン・フレイザー、『オースティン・パワーズ』シリーズのエリザベス・ハーレイ。
あらすじ
コンピューター会社のコールセンターで働くエリオットは、同僚からは馬鹿にされ、取り入ろうとしても逆にウザがられてしまう。
ある日、バーで密かに想いを寄せているアリソンに出会い声をかけるが全く相手にしてもらえない。
思わずエリオットが「彼女が恋人になってくれるなら何でも捧げます」と呟くと、突然目の前にセクシーな悪魔が現れ、ある契約を持ち掛けてくる。
感想
リメイク映画というよりは、ゲーテの戯曲『ファウスト』の現代版と言ってしまって良いかと思います。
と言っても、わたしは『ファウスト』も手塚治虫の漫画版でしか読んだことないんですが。
また、同じくハロルド・ライミスが1993年に監督した『恋はデジャ・ブ』にも良く似ている気がします。
『恋はデジャ・ブ』では、嫌な奴だった主人公が「同じ1日」を繰り返すうちに心を入れ替える話だったが、本作は、好きな女性の理想の男になる為に悪魔の手を借りて色々なタイプの男への変身を繰り返す話。
変身というよりも、パラレルワールドとか「もしもの世界」を体験すると言った方が近いかも。
エリザベス・ハーレイ扮するセクシー悪魔との契約により、自らの魂と引き換えに七つの願いを叶えてもらう事になったエリオット。
しかし、「アリソンと結婚して、大金持ちの権力者になりたい」と願えば、コロンビアの麻薬王にされてしまい部下の裏切りで組織も妻も奪われてしまう。
それならばと「感受性豊かな男になって、彼女の愛」を手に入れるが、アリソンが呆れるほど繊細な男になってしまい、結局はチョイ悪男に奪われてしまう。
バスケのスーパースターになっても、頭脳明晰で口の上手い作家になっても、いつも何かが足りずにアリソンとの仲は成就しない。
絶対ワザとやってるでしょってぐらい、ちゃんと願いを叶えつつ願いに入ってない部分で絶妙に嫌がらせをしてくる、まさに悪魔の所業!
クセになります。
「もしもの世界」から戻ってきても、婦警、看護師、女教師とエリザベス・ハーレイの七変化が楽しめます。
おまけに天使のコスプレまで!悪魔なのに。
最初はじっくりと時間を掛けて描かれる「もしもの世界」も、2回目からは「願いは叶ったけどここがダメ!」って感じで段々テンポが上がり、小気味良く進行して行く。
願っては失敗を繰り返しエリオットは「自信」を手に入れます。
同僚に好かれる為に媚びる必要もない。
好かれる男に「変身」する必要もない。
エリオットは自分のままでアリソンに再度アタック!
果たして二人は結ばれるのか?
それは観てのお楽しみ。
意外に悪魔ってイイ奴なのね。