yakkunの趣夫生活

その日の気分で映画を決めよう!今日の気分はワクワク?ハラハラ?それとも・・・。

『透明人間』〜 見えない恐怖と信じてもらえない絶望感

(The Invisible Man 2020年 アメリカ・オーストラリア PG-12)
映画ポスター 透明人間 2020 /エリザベス・モス/ホラー インテリア アート 約69×102cm フレーム別/ADV-両面





『ソウ』シリーズ、『インシディアス』シリーズの脚本家として知られるリー・ワネルが監督し、H・G・ウェルズの同名小説を原作とし1933年に映画化された『透明人間』を現代風にアレンジしリブート。

主演はHuluのドラマ・シリーズ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』で注目されたエリザベス・モス。




あらすじ

恋人であるエイドリアンの全てをコントロールしようとする強い束縛に耐え切れなくなったセシリアは、ある夜、彼が寝てる間に妹の協力を得てセキュリティの厳重な彼の豪邸から脱出する。

知人である警察官のジェームズの家に身を寄せても、いつかエイドリアンが現れるのではないかとの不安から解消されないセシリアの元に、彼が自殺したとの知らせが届く。

弁護士であるエイドリアンの兄トムに呼び出されたセシリアは、エイドリアンが彼女に莫大な遺産を残したと聞かされるが彼女には彼が自殺するなど信じられなかった。

その後、セシリアの周りで不思議な現象が続き、彼女は「天才科学者であるエイドリアンが何らかの方法で姿を消し、今も私を見張っている」のだと主張するが誰にも信じてもらえず、徐々に彼女は孤立していくのであった。




感想

前半はサイコサスペンス


いきなり何の説明もなく、セシリアがベッドから抜け出し音を立てないように荷物の準備を始める。

彼女の異常に怯えた様子から、彼女が抱える恐怖、そして彼女が家を出ようとしている理由を察する事ができる。

彼女が荷物をまとめている様子を写していたカメラが、ゆっくりとパンし始め誰もいない廊下を映す。

エイドリアンが起きて来るんじゃないかと、緊張感で息が詰まる


塀を越え、林を抜け、妹と落ち合う予定の場所へ行くが妹の車がない。

そこに遠くから車のヘッドライトが見えセシリアは安堵するのだが、観てるこっちは「いやいや、妹と思わせといてエイドリアンが来るんじゃないの?」とドキドキ。

結局、やっぱり妹の登場で安心させといて、エイドリアンがバーーーーッン!

心臓に悪いっス


セシリアがジェームズの家に移ってからも、誰もいない廊下を映したり、セシリア、ジェームズ、ジェームズの娘シドニーの3人が楽しそうにしている様子を部屋の外から写したりと、不安感を煽る演出が続く。

こっちは透明人間が出て来る前提で観てるので、何処にいるのか探しながら観てしまうのだが、如何せん透明なので見えない。

この見えない存在を意識させる事で生まれるハラハラとか不安感を演出するのが、非常に上手いと感じました。

ホラーな展開は突然に


セシリアをもう一度「自分のもの」にするために、セシリアを周りから孤立するように仕向けて彼女を追い込んでいく「見えないエイドリアン」。

一人づつ信用を失っていくセシリア。

この追い詰め方が、ホントいやらしい。

エイドリアンの仕業だと言ったって、当然誰も信じてくれない


このままセシリアはたった一人でエイドリアンと戦うのか?

それとも大逆転で皆の信用を取り戻すのか?


と思って観ていると、決定的な出来事が!

ある人物がセシリアの目の前で殺され、その犯人がセシリアだということになってしまう。

人が大勢いる所で透明人間が喉をかっ切り、その凶器をセシリアに持たせてしまえば、犯人にしか見えない。


全然そんな展開になるとは思えないシーンだったし、ここまでがホラーというよりもサスペンス色の強い展開だったので、喉がスパッと切られた時にはマジでビビりました

その後、案の定セシリアは精神病院に入れられ、そこに現れた透明人間により警備員たちは次々に血祭りに上げられていく。

とはいえ、昨今のR指定の付いたアクション映画の方が描写がグロかったりするので、「スプラッターは苦手」という人でも観られる程度のホラー感です。

ラストは捻りが効いてます


遂にセシリアと透明人間の直接対決!

セシリアは透明人間の存在を証明し、皆の誤解を解く事が出来るのか?


ここからの展開は二転三転あり、中々練られた展開になってました。

既に「擦られまくった」感のある「透明人間」という題材も、アイデア次第で面白くなるのだなぁ、と感心させられました。

しかも低予算で創られてるってところが、また良い。

映画はお金を掛ければ面白くなるってもんじゃないよね。


ユニバーサルさんは「ダーク・ユニバース」路線はやめて正解だと思う。

本作の様に、一本一本を練り込んだ映画を創って行っていただきたい。


ところで本作のラストですが、『ゴーン・ガール』的でちょっと怖いです。