(Spider-Man: No Way Home 2021年 アメリカ)
控えめに言って傑作!
今まで、スパイダーマンの映画作品の中ではサム・ライミ版の『スパイダーマン』(2002)が1番のお気に入りでしたが、今回「更新したかも」ってぐらい好きです。
いろいろな事情により、リブートされたり打ち切られたりしてきたシリーズを、このような形でまとめ上げてくれるとは、感動を超えて感謝にも似た感情が湧き上がってきます。
スパイダーマンを観続けて来て良かった。
今回、MCU作品は『マイティ・ソー』と『ブラック・ウィドウ』しか観ていない、マーベル初心者であるうちの奥さんと一緒に行くにあたって、ちょっとだけ復習をしてから映画館に足を運びました。
『マトリックス・リザレクションズ』の記事で「ある程度、単品で楽しめないと」と書きましたが、本作はその点はクリアできていると思いました。
過去のスパイダーマンもMCUも観ている私が、完全に観ていない人の気持ちになることは出来ませんが、小難しいこと抜きに楽しめる映画であることは間違いないと思います。
ただ、「より楽しむ」為には、ある程度、過去作の知識を頭に入れておく必要はあると感じました。
因みに、うちの奥さんにはトム・ホランド=ピーター・パーカー(以下トムホ=ピーター)のスパイダーマン・シリーズの前作である『ホームカミング』と『ファー・フロム・ホーム』、そして、以前一緒に観ているはずなのだが「よく覚えていない」という、トビー・マグワイア=ピーター・パーカー(以下トビー=ピーター)の第1作『スパイダーマン』(2002)を再鑑賞してもらいました。
アンドリュー・ガーフィールド=ピーター・パーカー(以下アンドリュー=ピーター)の『アメイジング・スパイダーマン』シリーズも観たかったのですが、時間切れ。
早く映画館に行きたかったので、全作観直すことは諦めました。
でも、もしMCU版のトムホ=ピーターの『スパイダーマン』しか知らない人は、トビー=ピーターの第1作だけでも観てから本作に挑むことをお勧めします。
その次にもう1本だけ観ておくべき作品があるとすればアンドリュー=ピーターの『アメイジング・スパイダーマン2』かな?
『アメイジング・スパイダーマン』の第1作は、色々と設定は違いますが、スパイダーマン誕生の物語という意味ではトビー=ピーターの第1作と被るので後回しで、時間に余裕のある方だけ観て下さい。
むしろトビー=ピーターの第2作、第3作の方が優先度は高いんじゃないかな。
逆に、トビー=ピーター、アンドリュー=ピーターが好きでトムホ=ピーターは観てこなかったという方で、この機会にトムホ=ピーターのシリーズに手を出そうとしている方は『ホームカミング』と『ファー・フロム・ホーム』以外に『ドクター・ストレンジ』を観ておく事をお勧めします。
以前の『スパイダーマン』のつもりで観ていると、いきなり魔術を使うおじさんが出てくる事になるので、まずはこの世界観を受け入れることから始めましょう。
あと、トムホ=ピーターが出てくるMCU作品は観ておくと尚可。
順番から言うと、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)、『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)となります。
こう書くとハードルを上げることになってしまうかも知れませんが、その先には、それに見合っただけの感動が待っているはずです。
実際、わたしは後半ボロボロでした。
本来、リブートとは「過去のシリーズは無かった事にして新たに」という意味合いだと思うのだが、本作は、過去のシリーズの存在を「活かした」初めての映画ではないだろうか。
長く映画を観てきて、たくさんの映画を観てきて、本当に良かったと思わせてくれる映画だった。
ここまで、「過去の作品を観てから本作を観て下さい」と書いてきましたが、本作を観てから過去の作品に戻ったって良いと思います。
トムホのスパイダーマン知らなかった人が、本作をキッカケに昔の『スパイダーマン』を観て、また本作を観直した時、その時は最初に観た時とは違う感動を味わえるはず。