公開されるや世界に衝撃を与えた、女性監督ジュリア・デュクルノーの長編デビュー作。
カンヌ国際映画祭でプレミア上映され批評家連盟賞を受賞。
あらすじ
かつて両親も通っていた獣医学校に入学することになった、ベジタリアンの少女ジュスティーヌ。
新入生の通過儀礼としてウサギの腎臓を食べさせられることになり、1学年上の姉アレックスに助けを求めるが、結局無理やり食べさせられてしまう。
このことをきっかけに、ジュスティーヌの体に変化が現れ始める。
感想
まず始めに言っておかなければいけないのは、本作が人類最大のタブーとされているカニバリズム、つまり人肉食を扱った作品であるということ。
確かに、映像はとてもスタイリッシュで、序盤は、女性監督らしい目線で描いた少女の青春映画のようにも見える。
しかし、ひと度ジュスティーヌが禁断の味に目覚めてからは、ちょっと目を背けたくなるようなシーンも出てくるので、そっち系の画が受け付けられない人は、観賞は厳しいかと思います。
モンスターの様に変貌して襲いかかるのではなく、ジワリジワリと食する感じが余計にリアルと言うか、めっちゃホラーです。
ただ、世界的に評価されてるのは、そのホラーな部分だけではなくて、ジュスティーヌという一人の少女の成長物語と上手く融合させているところにあるのだと思う。
初めて親元を離れての寮生活。ただ一人頼りにしていた姉に裏切られ、いがみ合ったり、それでも一番近い肉親として、やっぱり頼りにしたり。
ルームメイトのゲイの青年との恋愛要素も含まれていたり。
ホラー要素を抜きにしても、1本の映画として成立しそうな設定なんですが、そこを上手いこと組み合わせて、スタイリッシュな映像でまとめあげています。
他人に、「是非、観てください」とも言いにくいし、でも映画として良くできていて面白いし、自分でも観てて気分の良い映画じゃないけど、また観たくなるし、このなんとも言えない感覚は、『ミスト』を観たときと似たものがあります。
こんな人にオススメ
面白い映画ですが、内容が内容なので、自信をもってオススメすることは出来ません。
でも、ジュリア・デュクルノーという新たな才能を確認する意味で観ておく価値はあると思います。
興味のある方はどうぞ。
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