yakkunの趣夫生活

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『セルピコ』〜 ただ一人孤独な戦いを続けた男

(Serpico 1973年 アメリカ・イタリア)
セルピコ [DVD]



ニューヨーク市警に蔓延する汚職問題に立ち向かった、実在の警察官フランク・セルピコの物語。

『十二人の怒れる男』、『狼たちの午後』、『評決』など、社会派として知られるシドニー・ルメットが監督。
主演は、セルピコと同じイタリア系で、後に『狼たちの午後』でもルメット監督と組む事となるアル・パチーノ。


あらすじ

警察学校を卒業し82分署に配属されたセルピコは正義感に燃えていた。

しかし直ぐに、汚職にまみれた警察内部の現実に直面することに。

唯一人汚れた金を受け取らないセルピコは、次第に署内で孤立してゆく。


感想

周りに流されることなく、たった一人で正義を貫き、不正と戦い続けたセルピコの人生に驚愕。

上司に訴えるも見て見ぬ振りをするように言われるだけ。

配属先が変わっても自体は悪くなるばかりで、常に周りは敵だらけ。

署内にいても、命の危険を感じる毎日。

そんな日々を何年も続けるとは、並の精神力ではない。


そういったセルピコの日常を描く本作は、配属されては賄賂の受け取りを断り、上司や市長に訴えても誰も動かず、の繰り返し。

下手をすれば単調になってしまいそうな展開だが、そうはならないのは導入部に大きな山が作られているから。


映画が始まると、いきなり銃弾を受けて病院に運び込まれるセルピコが映される。

その知らせを聞いた同僚が「撃ったのは警官か?」と聞き、その上司が「そうしたいと思ってると言っていた奴を6人知ってる」と言い、仲間からも命を狙われていた可能性が示唆される。

その後、時間は警察学校卒業の日まで遡り物語が展開していくのだが、後々セルピコが銃撃されることを知っており、しかも犯人が犯罪者なのか警察関係者なのかわからない状態で進められていくので、ジリジリとした緊張感の中に置かれることになるのである。

何時その瞬間が訪れるのかわからないまま、淡々と進められるシドニー・ルメット監督の演出は、逆にスリリングに感じる。


そして、やはりアル・パチーノの演技力というか存在感。

警察学校の卒業式で制服に身を包むアル・パチーノが、『ゴッドファーザー』の時に軍服姿で帰宅したマイケルと重なるのは同時期の作品だから当然として、その若々しさが映画の終盤での容姿は本当に10年経ってしまったかのように見えてくる。

それは、口髭から顎髭と徐々に増やしていく髭でも年月の経過を表しているのだが、それだけではなく見た目以外の雰囲気も変化しているように感じられるのだ。

もしかしたら、わたしにが気付かないちょっとした所作なので変化を付けているのかもしれないが、そこが分からないわたしには「雰囲気」という言葉に逃げるしかないのが正直なところ。


この髭面の風貌には、もう一つ、セルピコの立場を表現する効果も出している。

私服警官になった彼は、私服なのに如何にも警察っぽい他の警官の服装を嫌い、ヒッピーの様な格好をしている。

セルピコは、行動だけでなくその見た目も警察内では完全に浮いた存在なのである。

実際のセルピコがそうだったのかは分からないが、映画的な表現として非常に効果的だと思う。



賞レースにはそれ程絡んでいないが、70年代を代表する映画であることは間違いないだろう。

あらためてアル・パチーノという俳優の素晴らしさ、そして自分は本当にこの時代の映画が好きなのだなと確認できる映画であった。



こんな人にオススメ

同じくアル・パチーノが出演した『フェイク』のような、実録ものの社会派ドラマが好きな方。

硬派な刑事ドラマが好きな方にもオススメです。

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