yakkunの趣夫生活

人生で大切なことは、全て映画が教えてくれた。

『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(1942) 〜 一本だけ観るなら、絶対これ

(Ossessione 1942年 イタリア PG-12)

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’39年、’42年、’46年、’82年と4度も映画化された同名小説の、舞台をイタリアに移した2番目の映画化作品。
とは言え、原作者の許諾を得ておらず、クレジットもされていない。
タイトルも『Ossessione』(妄執)と、全然違うものに。
名匠ルキノ・ヴィスコンティの長編初監督作でありながら、公開数日で上映中止になっており、「幻の処女作」と呼ばれていた。


’82年版の感想はこちらです。
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あらすじ

放浪の旅を続けるジーノは、たどり着いた川沿いの食堂で、店主ブラガーナの若き妻ジョヴァンナと出会い、二人は一目で恋に落ちる。
ブラガーナは始め、金を持っていないジーノを追い出すが、軍隊で同じ狙撃隊に所属していた事がわかると意気投合、整備士として雇う事に。
ブラガーナの留守中に一線を越えてしまったジーノとジョヴァンナ。一度は駆け落ちをしようとするが、怖気付いたジョヴァンナは途中で引き返してしまう。
旅の途中で知り合ったスペイン人と旅を続けるジーノ。ある日訪れた港町で、ブラガーナ夫妻と偶然再会する。

感想

全編ロケ撮影によるイタリアの風景のせいなのか、モノクロの映像でありながら、どのシーン、どのカットを切り取っても額に入れて飾りたくなるほど美しい。
又は、モノクロ映像だからなのか?

主演の二人も美男、美女。
ジーノを演じるマッシモ・ジロッティは、マイケル・ファスベンダー風の、如何にもイタリアンな感じのイイ男。
ジョヴァンナ役のクララ・カラマイはシアーシャ・ローナンっぽい美女ですが、時折、狂気の目を見せるときがあり、そんな時は、もうシェールにしか見えない。って、それはシェールに失礼か。


以前観た’82年版は、サスペンス映画なのか、ラブ・ストーリーなのかどっち付かずでしたが、本作は完全にラブ・ストーリー。
大筋もオチもほぼ一緒なのに、原作を一緒にしながら、こうも違う作品になるかと驚かされる。

やっぱり、ジャック・ニコルソンの顔面が、わたしにラブ・ストーリーよりもサスペンスを連想させてしまうのか?
つくづく、キャスティングって大事だなって思う。


よく映画がリメイクされると、オリジナルとどっちが良いかって話になります。
わたしも『タイタンの戦い』とか『ロボコップ』とか、オリジナルに思い入れがある作品だと、わざわざリメイクする必要があったかなって思う事もしばしば。
技術の進歩で、「もっとすごい画が撮れる」というのもあると思うんですが、映画ってビジュアルだけじゃないんですね。
オリジナルを知らなければ、もっと素直に楽しめるのかなって思う事もありますけど。

今回の場合は「原作が同じ映画」なので、上記のようなリメイク作品とは、ちょっと話が違うかもしれませんが、とりあえず観る順番は関係ない事が証明されました。わたしの中で。


4度も映画化され、ヴィスコンティ版が一番面白いという噂は本当でした。
動画配信されてたり、繰り返しテレビで放送されてたり、ヴァージョンによって観る機会に恵まれるもの恵まれないものとありますが、どれか一本を観るなら、絶対本作をオススメします。
わたしも4本のうち2本しか観てないけど、断言しちゃいましょう。

こんな人にオススメ

禁じられた恋にドキドキしたい方。
大人の恋愛に憧れる方。

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二人の女性の間で揺れ動く男の、サスペンスフル・ラブ・ストーリー。
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